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先週末、5/21(日)に志賀高原・渋峠スキー場でバンクドスラロームの大会が開催された。その名も『BANKED渋峠』。アメリカから帰国した美谷島 慎がGW明けの渋峠スキー場のまだまだ豊富にある残雪状況を目の当たりにし、『この雪ならバンクドスラロームの大会ができる!』と、昔からの知人である同スキー場山頂にあるカフェ(クランペットカフェ)の松本 剛氏に相談し、急遽開催に向け動き出したのだった。
開催まで約2週間という時間のない中で着々と進む準備
大会開催に向け、長野を拠点とするライダーやローカル、フレンズ、ブランド、そしてタイム測定は天神バンクドスラロームの運営部隊、福島大造&長野クルーらがサポートすることが決まり、着々と準備が進んでいく。また当日のMCには日本のヒップホップミュージシャン「YOU THE ROCK」が決定し、豪華な面々が徐々に揃っていった。
この大会の一番の狙いは、近隣または都市部から雪山の愛好者を集め、長野県のスキー場でこの時期でもまだまだ滑れる喜びをみんなで分かち合いたい。そして開催場所となる渋峠をもっと知ってもらい、一層ウィンタースポーツの楽しさを深めたいという想いがあった。
開催地の渋峠スキー場は、志賀高原の中でも一番標高が高いエリア
会場へ向かう車窓から見える風景は新緑に包まれた素晴らしい景色が広がる。シーズン中は雪化粧が広がる志賀高原だが、雪が溶けた春も一味違った山の良さを味わうことができる。下のエリアのスキー場はこの時期になると全てクローズされているが、峠を登り熊の湯スキー場付近からは少しずつ残雪がちらほら。その後も標高を上げていき横手山スキー場や渋峠スキー場のある標高約2000mに辿り着くと、そこにはまだまだ十分な積雪があった。
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少しトリッキーでロングな面白コース!
今回のコースは、リフトの架線下の地形を使い、この時期にしてはかなりロングなコースが完成していた。貴重な雪をこの大会のためにかき集め、数日前から美谷島を中心とするライダーやローカルによって仕上げたコース。前半はタイト気味なバンクが続き、木の間を縫って元の地形を活かしつつバンクが展開されている。中盤は気持ちいいリズムで左右に振りながら新緑の中に作られたコースは春らしく気持ちが良い。中盤にはギャップがさりげなく数カ所仕込まれている。トップスピードに乗った本番ではこの地形の攻略が難しく、上手く吸収して滑る人や、ジャンプで切り抜ける人、それぞれのスタイルが出る面白いセクションだった。ゴール直前にはかなり育てられた大きなバンクが急角度で存在し、スピードに乗った自分のボードを抑えつつバンクにあわせていくというトリッキーなコーナーになっていて、この最終コーナーで捕まりタイムをロスする人や、DQに追い込まれる人も。(ちなみに僕はここで捕まってしまった)
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
新たなカテゴリー『スノースケート部門』が盛り上がりを見せた
今回コース以外にも注目していたのが、エントリーするカテゴリーにスノーボード部門以外につくられた『スノースケート部門』と、『フェイキー部門』だ。これは日本のバンクドスラロームの大会でも新たな試みなのではないだろうか。昨年2016年にノルウェーで開催され美谷島 慎自身も参加した『THE BANG SLALOM』でもこの種目が取り入れられ、かなり盛り上がったことから、今大会でも採用したようだ。その予想は見事的中し、特に『スノースケート部門』はエントリーも約23ほど集まり、かなりの盛り上がりをみせていた。整備し直したコースでのみんなの滑りは、フリーフットにも関わらず、かなりスムースに滑っていく。逆にコケると半端ない勢いでDQするなど、参加した選手たちはもちろん、オーディエンスもその滑りや派手な転びっぷりに大興奮!新しいムーブメントを感じさせる完全にオリジナルなバンクドスラロームだった。
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今回自分も参加してみてわからされたことがある。それは今回の大会はシーズン中とは違い、少し間の空いた久しぶりのスノーボード。しかも本気の1本はかなり体に衝撃があったようで、バンクを踏みまくった自分の足(特に右足)が、翌日階段を降りることさえ厳しい軽い肉離れ痛状態に。来年も開催されるなら4月-5月後もガッツリ滑り込みコンディションをキープしないとと、あたらめて感じた今回のバンクドだった。
この大会の参加費の一部は、NPO法人チャイルドライン長野という子供たちの電話相談を行なっている方々へ寄付するという趣旨もあった。現在、大会主催者の美谷島と松本が集計をしていて、約7万5千円ほど寄付ができそうだと報告を受けている。
来年はもっと事前に大会準備をはじめ、参加者をさらに増やすことができれば、もっとスキー場の広いコースを貸し切って面白いコースができる可能性があるという。来年もシーズン終わりに開催される予定のこの大会へ向け滑り続けたいと思う。
近年一番の盛り上がりをみせるスプリングシーズン
今シーズンの春は、残雪も多く近年一番の盛り上がりをみせているシーズン。この記事を読んだみなさんも、きっと長く楽しめているシーズンなはずだ。今回会場となった渋峠スキー場も急遽残りの雪をかき集めて今週末も営業することに変更になったようだし、かぐらスキー場も5/27-28にファイナルを迎え面白いイベントが用意されている。また月山や立山など、まだまだ滑れる場所も多く存在している。
春のスノーボーディングには冬にはない山の魅力が沢山詰まっている。まだまだスノーボードをしまわずに、春スノーボーディングを楽しもう!
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