春の祭典MINAKAMI VIBESが、今年も4月14日(土)~4月15日(日)の2日間、群馬県・天神平スキー場で開催された。勝山尚徳とミナカミディガーズが造成する毎年恒例の巨大VIBES PARK。はたして今年はどんなセッションになったのか?

今年も素晴らしいパークが完成していた Photo: Yoshifumi Shimizu
今年も素晴らしいパークが完成していた Photo: Yoshifumi Shimizu

MINAKAMI VIBESとなって今年で8年目を迎えたこのイベントの魅力は、なんと言っても毎年度肝を抜くパーククオリティにある。群馬・谷川岳のシーンを牽引する勝山尚徳&ミナカミディガーズが造成する「巨大VIBES PARK」。そのパークはイベントの12日前から造成が開始された。FBのオフィシャルページを見ると、その進行具合が写真とともに紹介されているが、勝山尚徳がパークの全体像を決め、オペレーター担当で名物盛り師の諸田直人が雪を集めて作業が開始されていく。その後ミナカミディガーズたちが細かなバンクラインをシェイプして、時に夜間作業をしながらも最高の舞台が準備されていった。

Photo: Yoshifumi Shimizu
ハイスピードでGを感じられるバンクtoボウル Photo: Yoshifumi Shimizu

新たなアイディアによって安全かつスムースになったパーク

今年はこの時期の雪量が例年よりも少なかったが、そんな状況の中でも毎年好例の巨大な地形PARKが完成した。このイベントらしく、スピィーディーに加速できるバンクラインからのビックサイズのエンドボウルへの流れは今年も健在。そして、地形で繋ぐラインだけでなくフリースタルに魅せるジャンプセクションもコラボレーションされているから見応えも十分。参加したライダー誰もが、「トップスピードでスムースに繋ぐことができる最高なライン」と絶賛するのは言うまでもなく、自分も実際に滑りながらそのスピード感とバンクで感じる最高のGを体感することができた。

ドローンで撮影した上空からの全景 Photo: OKAKEN CINEMA
ドローンで撮影した上空からの全景 Photo: OKAKEN CINEMA
Photo: Yoshifumi Shimizu
スムースなラインでボウルを攻略する真木 蔵人 Photo: Yoshifumi Shimizu
佐藤なつき Photo: YoshiJosefToomuch
スピードを落とさずに次のセクションへ向かう佐藤夏生 Photo: YoshiJosefToomuch
なおと Photo: YoshiJosefToomuch
高くキレのあるトゥーイークを魅せる諸田直人 Photo: YoshiJosefToomuch
飛田ルキ Photo: YoshiJosefToomuch
こちらもフリースタイルにジャンプセクションで魅せる飛田流輝 Photo: YoshiJosefToomuch

しかも、今年はエンドボウルに排水溝的なトンネル穴が付きバージョンアップしていた。このエスケープラインがあることによって、安全かつスムースにパーク外へと抜けることができる。近年このイベントもキッズの参加が増え続けているだけに、この安全設計はとても重要な要素だと感じた。このアイディアによって、セッション中に5人くらいのトレインでパークに入っても、みんなスムースに抜けていける。より仲間とのセッション感が格段に上がったことは言うまでもない。

ダミー
今年から新たに取り入れられたエンドボウルのトンネル。これでスムースにパークの外に出られる
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トレインセッションでイベントを盛り上げる参加者たち
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やっぱり仲間と共に滑るのは最高に気持ちがいい
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こちらもトレインスタイルで気持ちよく流す
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光音電波による雪上Live
ゴリゴリなスタイルを表現する参加者の滑り Photo: Yoshifumi Shimizu

好きなことをとことん追求するスタイル

初日は雨こそ降らなかったが、ガスに覆われる時間が多かった。2日目は低気圧の通過によって、ここ天神平も事前予報は終日雨予報だったのだが、当日の雨は奇跡的にもあまり気にならないレベル。ガス&風がやや強いコンディションだったが、なんとか遊べる。そんな中、「雨にも負けず、風にも負けず、ガスにも負けず。自然と調和するミナカミバイブス」と、頻りにMCのマイクで呼びかける勝山尚徳。そこは流石のVIBESイベント。VIBESという言葉を辞書で調べると、「気持ち、雰囲気」と出てくる。そう、このイベントはスノーボードが好きで好きでたまらなく、どんなコンディションであろうが、好きなことをとことん楽しみ続けるスタイル。そんなVIBESという名の「気持ち」を持ったスノーボーダーが全国から集まるイベントなのだ。だからこそ、集まった参加者は丸2日間天候なんて気にせずに、最高のパークをとにかく滑りまくりピュアにスノーボーディングを楽しんでいた。

Photo: YoshiJosefToomuch
イベントオーガナイザーでありMCも担当する勝山尚徳 Photo: YoshiJosefToomuch
天候にも負けずガッツリと滑り倒した2日間 Photo: YoshiJosefToomuch

そんな滑り手を第一に考えるイベントなだけに、できるだけ滑る時間を長くしてあげたいという勝山尚徳らの想いから、毎年イベントの最後に行われていた協賛ブランドからの景品贈呈タイムをセッション中に変更した。このイベントを裏方で支えるブランドの各担当者がセッション中に、クールなライディングをした人へその場でプレゼントを贈呈する。そのシステムの変更によって、ロープウエイが終了するギリギリの時間までセッションを楽しむことができる。このあたりの新たなアイディアも、滑り手がイベントをオーガナイズするからこそ、「滑り重視」のイベント感がガッツリとでていて最高だ。

Photo: Yoshifumi Shimizu
まるでスケートさながらのスタイルを雪上ボウルで魅せつける Photo: Yoshifumi Shimizu
平 光、諸田直人、MINAKAMI ディガーズ Photo: YoshiJosefToomuch
平 光、諸田直人、MINAKAMI ディガーズドロップIN Photo: YoshiJosefToomuch

今年は特にスノーボード&スノースケートの二刀流での参加者も多かった印象。また五明 淳が急遽パークの端に1時間で造成したという特設雪板コースでのセッションも盛り上がり、スノーボード&スノスケ&雪板と、雪上横ノリカルチャーの進化がユーザーにも浸透しているように感じた。

Photo: Yoshifumi Shimizu
SnowSkater Photo: Yoshifumi Shimizu

春スノーボーディングの醍醐味が詰まったこのイベント。その背景には、水上ローカル&ライダーが一丸となり最高のパークと雰囲気を作りあげ、リアル・スノーボーディングをビンビンに発信している。だからこそ、ここに集まった参加者もこの現場が放つVIBESをしっかりと感じ、リアルなスノーボーダーが集まるイベントなのだと改めて感じた。年々少しずつ進化するMINAKAMI VIBES。来年はどんな新しいアイディアが取り入れられるのか今から楽しみだ。

北島ひかる Photo: YoshiJosefToomuch
スパインで高さのあるジャンプを繰り出した北島 光 Photo: YoshiJosefToomuch
増田ルイキ Photo: YoshiJosefToomuch
FLOWにパークを流す増田塁揮 Photo: YoshiJosefToomuch
Photo: YoshiJosefToomuch
自らのライディングでイベントの空気感を語る勝山尚徳 Photo: YoshiJosefToomuch