スノーボードプロショップが「ANONのゴーグル、ヘルメットを推す理由」

1977年のブランド創設以来、一度も歩みを止めることなくスノーボードギアの進化を牽引してきたBURTON。そんなBURTONから2001年に派生して生まれたゴーグルブランドがANONだ。


チャレンジ精神こそが新たな道を切り拓く

今でこそ磁石の力を利用してレンズをフレームに固定するゴーグルは、どこのボードショップに行っても当たり前のように陳列されている。だが、その始祖をたどれば2013年にANONが発表したM1に辿り着く。ただ、ファーストモデルは話題にこそなったものの、機能的にはやや不満を感じるという意見もあった。それから10年以上の年月が経過し、今やANONのマグネットタイプのゴーグルは驚くほどの進化を遂げ、常に快適かつクリアな視界を多くのユーザーに提供している。

また、他のゴーグルブランド同様に、ANONはやや後追いながらもヘルメットの開発にも着手する。そして、お手頃価格で人気を集める軽量ヘルメットに加えて、2021年には安全性をとことん追求した、スノーボード業界で唯一となる衝撃緩和システム・WAVECEL搭載モデルを発表した。今後、日本におけるヘルメット着用率の向上とともに、この機能はさらに注目を浴びていくことだろう。

これまで常にプレイヤー目線でのモノづくりを心掛け、ゴーグルとヘルメットにおいて様々な革新的プロダクトを世の中に送り出してきたANON。そこで気になるのが、それらの本当の実力だ。ここでは、他ブランドのゴーグルとヘルメットも多数取り扱う岐阜・FREAKと北海道・KONA SURFの2つのボードショップの店長さんに話を伺った。


FREAK(岐阜) 店長・バンビさん

WEB: https://freak.co.jp

Instagram: https://www.instagram.com/freaksince1983/


やっぱりマグネットは超便利

「現在のゴーグルの主流になっているマグネットタイプ。それを最初に出したのがANONでした。当初は、曇りやすい、隙間が空く、といった問題もあったけど、今はすべて改善されて快適そのもの。
かつてはレンズ交換がラク』がマグネット式の謳い文句でしたが、今はレンズの進化によって、ほぼ1枚のレンズで全天候をカバーすることができます。以前ほどレンズ交換の必要がないのに、『なぜマグネットタイプのゴーグル推し?』と思われるかもしれません。それは『レンズが曇るかも?』と察知したら、すぐにフレームから外して曇りを未然に防げるから。
他ブランドだとマグネットにプラスしてレバーなどで留めたりしないといけません。でも、ANONはレンズの連結がマグネットのみ。なので、顔に装着したままで、グローブをつけた状態でもレンズを簡単に外せる。そこが強みなんです」

MAGNA-TECH:強力なマグネットの磁力を利用し、レンズとフレームをしっかりと連結する機能。M4の場合は9個のマグネットの連結部分がある。ライディング中に外れたり、水分が入ってきたりすることもなく、とても信頼性が高いシステムだ

何よりもグローブをしていても簡単に脱着できるのが便利

「磁石つながりで言えば、専用のフェイスマスクがフレーム下部にマグネットでくっつくMFIという機能も便利ですね。特にお子さんのいらっしゃる親御さんには助かる機能だと思います。ウチの子もそうなんですが、暑いと感じたら子供自身がフェイスマスクを引っ張って外し、寒いと思ったらパチッと勝手に付けてくれるので。いちいちゴーグルの下にフェイスマスクを入れ込まなくてもズリ落ちないのはホントに助かりますよ」

MFI:フェイスマスクとゴーグルが磁石で連結するインターフェイスのこと。リフレッシュしたいときは、すぐにオープン。閉じるときも正確、かつ一瞬だ

 

M4の考え抜かれた装着感がいい

「お店で推しなのも人気なのもANONならM4です。最大の特徴は、1つのフレームで平面と球面のどちらのレンズも取り付け可能だという点。しかも、レンズの周囲が薄いフレームみたいなもので囲まれているから、2枚レンズの間にあるスポンジが剥き出しにならず、そこからの水の浸入がありません。
また、他ブランドの上位機種の中にはVRゴーグルかってくらいゴツいモデルもありますが、M4は全体的にフレームが顔に近いフォルムになっている点もいいですね。面白そうなスポットを探しながら滑っていて急に頭の向きを変えてもゴーグルに頭が振り回される感がないんですよ。フレームもやわらかくて顔にピタッとフィットするし、M4のなかでもサイズ展開がいくつかある。細部に至るまでプレイヤー目線でモノづくりがされているって感じますね。
ただ、ハイエンドモデルだから価格はちょっと高めです(苦笑)。それでも高性能なハイコントラストレンズがスペアで付属しますし、『球面レンズを買ったけど、やっぱり平面がいい』と思ったときもレンズだけ買えばいいので、実は意外とコスパはいいのかもしれませんね」

レンズの周囲が剥き出しではなく、プラスチックのパーツがあることで水の浸入もない

ミラー仕様のPRECIEIVE GREENの(左)のスペアレンズとして付属するPREVEIVE PINKレンズ(右)

ANON

M4S Toric(球面レンズタイプ)
M4S Cylindrical(フラットレンズタイプ)

M4 ゴーグルのなかでも顔の小さい人に適したサイズながら、ANONの最先端の技術を全投入したハイエンドモデル。球面と平面のどちらのレンズにも同じフレームで対応可能。

M4S Toric(左)、M4S Cylidrical(右)

フレームカラー: Powder Mint、他8色
レンズカラー: Precieve Variable Green、他5色
価格: 49,500円(税込)


RELAPSE
MFIを搭載したキッズ用ゴーグル。高性能のハイコントラストレンズ仕様で視界も極めて良好だ。カラフルなデザインで楽しさもアップ。
左上より、Hotdoggin, Black,  Pink, Western, Zig Zag

フレームカラー(レンズカラー): Hotdoggin(Blue Amber), Black(Red Solex),  Pink(Smoke), Western(Pink Amber), Zig Zag(Smoke)
価格: 17,600円(税込)


KONA SURF(北海道) 店長・ヒカルさん

WEB: https://konasurf57.base.shop

Instagram: https://www.instagram.com/konasurf/

安全を第一に考えるならWAVECEL

「北海道は外国人スノーボーダーが多いからか、ゲレンデでヘルメットを着用して滑っている人が多いんですね。やっぱり海外の方ってヘルメットをするのが当たり前になっているというか……。そういった流れなのかはわかりませんが、最近は『ヘルメットって必要なんですか?』というお客さんが増えたように思います。そのたびに『大切な頭を守るためにもヘルメットは着用していたほうが安全・安心ですよ』とお伝えてさせてもらってます。
安全面を考えると、お店としてはANONのWAVECELが搭載されているモデルをオススメしています。MIPSは衝撃の方向をズラすためのシートが1枚入っているのに対して、WAVECELは、格子状の素材が衝撃を受けると曲がる→つぶれる→滑るという流れで力を逃がしてくれるシステム。それがヘルメット自体に組み込まれている。なので、これは私の感覚的なことかもしれませんが、より安心感があるんですよ。しかも、その格子状のおかげで通気性がいいからムレにくい。これもメリットだと思います。
ただ……WAVECEL搭載モデルは、けっこう値段が高めで(苦笑)。なので、予算オーバーって方も少なくありません。さらに、お子さんの場合は、成長してサイズアウトする可能性もあります。そのため、どのくらいハードに滑り込むのかを考慮しながら、どのモデルがベストなのかを一緒に考えながら提案させてもらっています」

WAVECELが搭載され、軽量でフィット感もとてもよいOSLOは大人用だけでなく、キッズ用も発売されている


WAVECEL:数百のショックアブソーバーのセルが網の目状に張りめぐらされており、そのセルが「曲がる」&「つぶれる」ことで直線的な衝撃力を軽減すると同時に、「滑る」ことにより回転しようとする衝撃力をも逸らすことができる。格子状の構造により通気性も良く、ヘルメット内がムレにくい

WAVECELヘルメットのラインナップの中で、もっとも軽量なモデルとして登場したOSLO。丸みのある頭部に合わせたデザインで快適なフィット感が得られる


WAVECEL以外にも魅力満載のOSLO

「お店でオススメしているモデルを1つ挙げるなら、見た目もフリースタイル系でカッコいいOLSO。このモデル、大人用も子供用もあるんですよ。
優れている点としてはWAVECELを搭載しているという以外にも、サイズの微調整がBOAダイヤルで可能ですし、アゴひもはバックルを横にスーッとスライドさせるだけで簡単に取り外せるマグネットタイプなので使い勝手がとてもいいところ。子供でもグローブしたままアゴひもを外せますし、大人も手がかじかんでるときは本当に重宝します。さすがはスノーボードブランドのヘルメットって感じですよね。
あと、ANONはゴーグルもあるので、ヘルメットと一緒に提案しやすいんです。やっぱり同じブランドなので相性はいいですからね」

 

グローブをしたままサイズ調整も容易なBOAダイヤル
Fidlock®マグネチックヘルメット ストラップバックルは片手で、しかもグローブをつけたままバックルの着脱が可能

 

ANON
OSLO WAVECEL
WAVECELによる保護機能を備えた注入成型構造のヘルメット。軽量かつコンパクトなルックス、ラウンドヘッドデザインによる快適なフィットを実現。

サイズ:S, M, L, XL
カラー: Summit Taupe 、他3色
価格: 36,300円(税込)


KID’S OSLO WAVECEL

最先端の衝撃吸収テクノロジーを採用したキッズ用ヘルメット。高い安全性とライトウエイトを実現。BOA搭載でフィットの微調整も簡単。
サイズ:S/M, L/XL
カラー: Powder Mint、他1色
価格: 36,300円(税込)

プレイヤー目線でのモノづくりと、スノーボーダーらしいチャレンジ精神によって、ライディングファーストの機能や斬新なシステムを次々と導入し、そして進化させてきたANON。機能的に優れていることはもちろん、そこに使い勝手のよさ、見た目のカッコよさを付随させているところもANONの魅力である。だからこそ、ショップスタッフも自信を持って多くのスノーボーダーたちにオススメできるのだ。
ショップの意見にもあるように、優れた性能の製品は時に予算オーバーになることもある。しかしながら、快適に滑ること、そして何よりも安全かつ快適にに滑ることへの投資として考えれば惜しくないはずだ。さらに、いいモノを購入して長く使うということも、ギア選びとしていい選択になるだろう。
もうすぐシーズンイン、安全にライディングが楽しめるように、あなたにとってのベストアイテムを選んでみて欲しい。

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