2月17日(土)にELECTRIC ALL FLAT CASH JAMが開催された。毎年ELECTRICらしい斬新なレイアウトとアイテムで、全国各地から集まるジバーが激しいバトルを繰り広げるイベントだ。今回その舞台となったのは、新潟・舞子リゾート。この日のために特設パークが造成されたのだが、そこには今までにない新たなレイアウトが待ち構えていたのだった。
Photo: ZIZO
薄っすらと太陽が覗く早朝、舞子リゾートのゴンドラのある場所とは別のベースエリアの受付テントで参加者たちは正式なエントリーを済ませる。リフトで登りライダーズライトに滑り降りて行くと、そこには今までとはまるでコンセプトが異なる特設パークが展開されていた。
従来このイベントでは、ALL FLATなアイテム(ジブアイテム)を中心にレイアウトされてきたが、今回は浅めのパイプを新たに作り、それをベースに様々なジブアイテムが設置されている。まさにR(アール)地形とジブアイテムが融合された全く新しい特設パークだ。そのレイアウトから、Rをうまく使いながら流れの中でジブへエントリーしなくてはならない、総合滑走能力とクリエイティブさが求められるものだった。
これは新しい。浅いパイプのボトムには、存在感のある赤松の木が1本だけ立ち、ボタニカルな雰囲気を出しながらも、もちろんその木にも当て込める。両サイドのプラットホーム上には、三段レイルやフラットレイル、その流れでヒップやウォール、フラットダウンエルボーレイルが設置されている。
参加者たちは、早速そのオリジナルパークをインスペクションするのだが、「どのアイテムから、どんな流れでセクションを攻めよう?」。慣れないレイアウトに少し戸惑いながらも繋げられるベストなラインをイメージしていく。
このイベントのルールは簡単だ。各ヒートどのアイテムで何をするかは自由。ELECTRICライダーたちがそれぞれのライディングを常にチェックし、キャッシュという名のオリジナル・マネーを、クールなライディングをした人へ渡していく。ヒート中にそのキャッシュをより多く集めた者が、ファイナルラウンドへと進むことができる。とにかくライダーたちにヤバいライディングを見せつけた者勝ちというわけだ。1発の大技で大量のキャッシュをGETすることもできるので、いつ何が起こるか分からない目が離せないセッションイベント。しかもフリーエントリー&フリーランチだというこもと加筆しておく。
ジャムセッションがスタートし、滑りながら少しずつラインが見え始めた参加者たち。が、しかし。心配されていた天気予報は見事に的中してしまう。セッションが進んでいくと大粒の雪が降り出してきた。見る見るうちに、その降雪は勢いを増していく。そんな中、全国から集まったジブ自慢の参加者たちは磨き上げた自分のスタイルをELECTRICライダーたちに見せ付けるべく、大雪を吹き飛ばすアツいセッションを繰り広げた。
予選の各ヒートが大雪の中決行されていったが、メンズ予選が終わりガールズ&キッズヒートの頃には雪の状況がかなり酷くなり、急遽予選を勝ち上がったファイナルと同時に行うことになった。
パイプ状のボトムには雪がたまり湿雪でスピードコントロールも難しい。より高度なラインどりが必要になっていく中、湯沢をベースに活動するMIZOUクルーの安永兄弟(楓と颯)は、クリエイティブなラインで巧みにRを使いこなしていた。ジブセクションをスタイリッシュに攻めると、ウォールやリップでバックフリップを披露する楓。ワンフットで三段レイルを攻め、エルボーレイルでトリッキーな360アウトをする颯。そんな各セクションを創造力豊かに攻める姿は印象に残った。また三段レイルのジブセクションで、完璧にボードをコントロールする山本コンラッド、そして全セクションで安定感のあるライディングを魅せた神宮寺 海斗が、誰よりもキャッシュを多く集め見事優勝を手にした。
今回のイベントで感じたことは、ここ南魚沼・湯沢エリアでメンズ、ガールズともに次世代のネクストライダーたちが頭角を現し、新たなシーンが生まれつつあるということだった。その中で、今回のセクションは非常にインパクトがあり、彼らが持つ創造力とスタイルを引き立たせていた。このセクションに苦戦するライダーはもちろんいたが、クリエイティブにメイクする者もいる。ジブセクションでも高難易度のトリックやスタイルが求められる一方で、オールランドに滑れる総合滑走能力も必要になっていくということなのかもしれない。そんな新たな時代を感じさせてくれたALL FLAT CASH JAM。ぜひ次回も最先端なアイテムの中で、次世代ライダーたちの活躍に期待したい。
近日中にオリジナルムービーもUPするので乞うご期待!
来期のFREERUN本誌(掲載月は未定)では、今大会のベストショットを数ショット2ページで掲載する。今回は悪天候の影響もあり、上位入賞者だけのクローズフォトセッションではなかったので、予選、ファイナル、フォトセッションを通して、ベストなショットを選んで掲載するので、こちらもお楽しみに!
リザルト
1位 神宮寺 海斗
2位 安永 楓
3位 森田アヤナ
ベストトリック賞 安永 楓
ELECTRIC ALL FLAT CASH JAM 2018
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嵐の中、ハイレベルな激戦を繰り広げたスノーボーダー達をリスペクトしてご覧ください!