3/31(土)、4/1(日)に開催された丸沼高原バンクドスラローム。近年大人気のバンクドスラロームだが、この丸沼バンクドは「いったいどんなコースが完成したのか?」「大会現場の空気感は?」色々と気になった人も多いはずだ。
この記事では、実際に参加した今大会をレポート。
Photo: Tomokazu Kuwano
バンクドスラロームの聖地・群馬県で新たな大会が生まれた
3月1週目に天神・バンクドスラローム、その翌日に奥利根・カモシカレース、3週目にはホワイトバレー・MINAKAMI BANKED CLASSIC、翌週に川場・M&Mと、毎週のように群馬で開催されているバンクドスラローム。いつしか群馬県はバンクドの聖地として確立し、各大会では個性豊かなコースが造成され多くのユーザーを釘付けにしている。
そんな中、3月最終週の週末に、丸沼高原で新たなバンクドスラロームが開催された。本大会が群馬の他の大会と大きく違う点は、ゲレンデが主催しているという点。コースプロデュースを任されているのは石山 徹。彼は現在丸沼でディガーとしてパークプロデュースを担当しながら、ゲレンデに訪れるスノーボーダーと密にコミュニケーションをとりながら片品エリアを盛り上げている。
そんな彼が、この丸沼バンクドのコースプロデュースを初めて任されたのは実は昨年にさかのぼる。実は昨年の同時期に、今大会のトライアル大会となるVol.0がおこなわれていた。大会は無事終了するものの、コース造成に関してはいくつかの課題を残していた。大会前、石山 徹に昨年の大会について取材をすると、初開催が急に決まったこともあり、コース造成のスタッフ不足にかなり悩まされたようだ。またコースのバンク数も20バンクと比較的多めに設定され、その結果、気持ち良くフィニッシュできる範囲を超えてしまった。
ゲレンデが主催する新たなバンクドスラローム。昨年のトライアル大会の経験を活かし、今回正式な開催を迎えたVol.1は一体どんな大会になったのだろうか?
シンプルにバンクの気持ち良さであるGを感じるコースの出現
例年に比べ1週間~2週間季節の移り変わりが早い今年の春。丸沼の雪とコースの状況が心配だったが、現場に到着すると一気にその心配はワクワクに変わった。
失礼かもしれないが、自分が事前に持ち描いていたコースイメージとは比べものにならないほど、面白そうなコースが完成していたのだ。
今年のバンク数は合計で13と、昨年の20バンクに比べるとコース距離をだいぶ短くしている。スタートから連なる4つのバンクは、サイズも胸くらいと昨年よりも高くなっている。その分、雪が緩む前のオーバースピードには注意が必要だが、気持ち良く流せる。
その後、5〜7つ目のバンクは、クイックに繋がるリズムセクション。ここはスピードを調整しながらリズミカルにバンクを攻略する必要があるが、メイクするとかなり気持ちい。続く8〜10のバンクは気持ち良くスピードを乗せられて、ここまではリフト線下にコースが作られているため注目度も大。そのままストレートな廊下を渡りゲレンデの逆サイド部分にある自然地形を活かした11バンクに繋がる。ここは常に日陰でアイシーな要注意バンクだが、そこをクリアすると、12バンクの小山 →13のラストバンクを抜けゴールとなる。全体のコースの流れはこんなイメージ。
最初は気持ち良く、途中クイックなリズム、その後はスピードをつけ廊下を渡り最後も気持ちよくフィニッシュという流れ。つまり、単調なコースではなく、時にスピードの緩急も必要なコースに仕上がっているので、それぞれのバンクに個性があって面白い。
そして、このコース一番のコンセプトは「遠心力のGを感じるバンク」。バンクのハイラインをキープできれば、自然とスピードがついてくる。シンプルにバンク本来の気持ち良さを感じてもらいたいという作り手のコンセプトがコース全体に組み込まれている。人口地形&自然地形を活かしながら造成された素晴らしバンクラインが完成されていたのだった。
今年の総エントリー数はスノーボーダー&スキーヤーと合わせて160名。10歳以下のキッズから35歳以上の大人まで、世代を超え多くの参加者がこのコースを存分に楽しんでいた。
初日に予選、2日目に決勝という大会フォーマットだが、翌日の決勝後には予選敗退者もタイムトライアルに出ることができるので、土日の2日間をそれぞれ1本ずつ必ず滑れるのも嬉しい。スノーボードとスキーのダブルエントリーというカテゴリーも存在していたが印象的だった。
ゲレンデとローカルが一丸となった新たなムーブメント
この最高のコースを造成することができた背景には、石山 徹をはじめとするスキー場スタッフと、優秀なオペレーターの存在。さらに、群馬のスノーボードショップ、生粋の丸沼ローカルがひとつになった証でもある。
今回のコース造成や大会運営に携わったメンバーのひとりでもあり、過去に片品ビアンとしてこのエリアを盛り上げていたライダーのトシくん(瀬山寿弥)。彼と宿泊先が同じだったので、今回の造成背景を聞くと、「オペレーターの腕前が本当に素晴らしかった」そして、「片品・丸沼ローカルが一つになり一生懸命コース造成に携わってくれた」と、この大会への今後の可能性を高く評価していた。
スキー場が主催するバンクドスラロームの大会。その現場の空気感は、スノーボード、スキーに関係なく参加者が主役となり全員が楽しめる大会となった。ユーザーのためのバンクドスラローム。このコンセプトを持ちながら、多くの人がこの大会を裏方で支え素晴らしいコースを作り上げ、無事2日間の大会を終えた。
実際に自分もはじめてこの大会へ参加させてもらったが、完全にロックオンしてしまう面白いコース&大会雰囲気と文句なし。
もともと丸沼は自然地形が面白いゲレンデとして、フリースタイルだけでなく、スノーサーファーにも愛されている。だからこそ、このバンクドカルチャーは自然な流れで参加者からも受け入れられたのではないだろうか。丸沼だけに、近い将来、常設バンクドコースの出現?の可能性にも期待したい。
今回大成功を納めた背景には、ゲレンデだけでなく裏方でコース造成や大会運営に携わった有志のサポートがあったからこそ最高のコースが完成し、素晴らしい大会になったのだと感じている。
この現場の空気感から、今後の片品エリアのムーブメントの火付け役となりうる大会になったのではないだろうか。
また今大会、各クラスの優勝者には来年度のTENJIN BANKEDSLALOMへの出場権が与えられた。来シーズンもますます盛り上がりそうな群馬のバンクドシーン。最後に、この丸沼バンクドは、来年も同時期に開催を予定しているので、今年参加できなかった人はぜひ来年こそぜひトライしてもらいたい。