2018-19シーズンのニューモデルローンチのニュースが飛び込んできたばかりのadidas Snowboarding。ブランドローンチから5年が経過し、日本のスノーボードシーンで順調に成長を続ける彼らが多くのスノーボーダーを惹きつける魅力は、機能性とスタイルがしっかり落とし込まれているそのプロダクトだ。そのプロダクトとブランドは、どのような想いとコンセプトを持って作られているのだろうか。adidas Japanでadidas Snowboardingを担当する富田氏にお話を伺った。
Photo: kentaroufuchimoto
プロダクトやマーケットに対して真摯であり続ける事が、
adidas Snowboardingの成長に繋がっている
ブランドがスタートして5年経ちますが、その間に最も力を入れて取り組んできたことは?
この5年の間、スノーボーディングというカテゴリーに対してとても真剣に考え続けてきました。そして、ようやく、スノーボーディングよりも早く力を入れていたスケートボーディングで得たノウハウやワークスキームなどをうまくスノーボーディングに使えるようになってきています。今後もスケートボーディングでの成功事例を活かしながら、真摯に間違えずに進んでいきたいです。
我々は一つ一つのモデルに対して、非常に細かい部分も含めて改良を続けてきており、クオリティも飛躍的に上がっています。競合のブランドと比較して、改善しなければいけないこともまだまだありますが、そこに真剣に向き合い改善し続けていくのも2018シーズンの取り組みになると思います。
日本のスノーボードマーケットについてadidas Snowboardingとしてはどのように評価していますか?
日本は他の国に比べてもスノーボーディングのライフスタイル・カルチャーの質が非常に高いです。(adidas Snowboardingの)グローバルチームとしても、日本のスノーボードマーケットを非常に注視していて、日本のマーケットでしっかりと根付くことが出来れば、その成功事例をアメリカや他の国でも展開していけると考えています。日本のマーケット・日本のスノーボーダーは、adidas Snowboardingグローバル全体として非常にプライオリティの高いポジションにいます。
今後adidas Snowboardingとしてのブランドが目指すものは何ですか?
私たちは、自分たちのプロダクトとマーケティングに対して正直でいたいと思っています。出来ているフリはしないで、出来ていないこととやりたいことを明確にし、プロダクトもそのイメージに紐づけて開発していくということです。
また、adidas Snowboardingというブランドが日本のマーケットやグローバル的にもまだまだ小さいという事は理解していますが、スノーボードのマーケットやカルチャーに対してしっかり貢献していくことも重要です。その一つは、adidasブランドとしての長い歴史と経験から培ったブランド力を活かして、スノーボードをしていない層へより効果的にアプローチをしていけるということだと思います。その為にも、新しい層の人たちにスノーボードを魅力的に思ってもらえるようなプロダクト造りやマーケティングをしていきたいですね。私たちが戸田真人や小川凌稀と契約しているのは、彼らのような光った人をフィーチャーすることで、ほんのちょっとしか山に行かない人にも「スノーボードがカッコいい」ということを理解してもらいたいという理由もあります。
1mm単位での惜しみない変更が最高のフィーリングを実現する
プロダクト造りにおいて一番大切にしていることを教えてください
常に改良を続けながら機能性と見た目(スタイル)を両立させることを一番大事にしています。あまりスノーボードをしない人でも「このブーツを履くとカッコいいな」「adidas Snowboaradingのウエア着てみたいな」という風に、adidasだからこそ感じてもらえるスタイルと機能性を持つ事を、adidas Snowboardingプロダクトのアイデンティティにしたいと思っています。
履き心地について、拘っていることや進化したポイントを教えてください
私たちはアジア人・欧米人を含めた何千何万という足のデータを持っています。この膨大なデータから日本人の足に合う足型を導きだし、更に、日本のスノーボーダーやパートナーさん(販売店スタッフ)から得たフィードバックを元に、1mm単位でインナーのフィッティングやブーツのフレックスなどを調整し、最高の履き心地にするための変更を惜しみなく続けてきました。その結果、今年のブーツは去年モデルに似た見た目のものが多いですが、滑ったときの違和感を全く感じなくなったという評判を頂く事ができました。
スノーボードブーツを開発するにあたり、adidasならではの強みというのはどんな部分だと思いますか?
唯一無二のブランドイメージと、膨大な経験から生まれたテクノロジーです。例えば「SUPERSTAR」を知らない人は世の中にほとんどいないと思いますし、クラシックなアイコンと言われる「SAMBA」のように、特定のモデルを見てブランドを思い浮かべられるようなプロダクトを出せるのは、やはりシューズメーカーとして長い歴史を培ってきた私たちにしかできないことだと思います。また、耐久性にも自信を持っています。adidas Snowboardingのブーツが壊れないとは言い切れませんが、修理依頼で返品されてきた例というのは、他のメーカーさんに比べてもとても少ない件数だと思います。
来期のプロダクトの注目ポイントは?
「SAMBA」に注目してほしいです。2018シーズンはインナーのシェイプやシュータンのフレックスなど非常に多くのパーツをブラッシュアップしていて、特に変化したのはフィーリングです。ブーツを改良していく中で日本人の足に合うフィッティングには特に拘っているので、去年と見た目は同じに見えますが、フィーリングはまったく別物だと感じて頂けるはずです。
チームライダーからのフィードバックをどのように反映させていますか?
チームライダーからのプロダクトに対するフィードバックは非常に多いです。フィット感に対するものもありますが、スタイルに関する内容が多いです。スノーボーダーが追い求める、昔から変わらない普遍的なかっこよさという部分に対する意見を、どのライダーも非常に強く持っています。例えば、昔からあったノーマルのレースをもっとカッコよくする為のスタイルやカラーリングは?そういった意見を受けて私たちは、レースタイプのブーツをもっと脱ぎ履きしやすくしたり、ホールド感を良くするなどの改良をして彼らに応えなければいけないと思っています。
スノーボードショップとどのような関係を築いていきたいと考えていますか?
adidas Japanとして日本のマーケットを素晴らしいものにしていく為には、スノーボードショップの存在は必要不可欠です。そこにナンバーワンプライオリティを置き、彼らからのフィードバックには優先的に対応しています。私たちは日本のスノーボードマーケットをリスペクトしており、彼らからの信頼無しには、ブランドとして何も始まりません。今後も真摯に対応させていただき、信頼や関係性を構築していくことが大切だと思っています。
2018-19シーズンのadidas Snowboardingコレクション詳細はこちら。ブーツだけじゃなくウエアもラインナップ!