Round 7 9th CSBA on SNOWFESTA

 

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蒼く晴れ上がった信濃富士の眼下に水面を輝かす芙蓉の湖が遠く眺望できる。
黒姫高原スノーパーク、からまつコース中腹の棚に設けられたスタート台からの全長340m、標高差65mのコース

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スタートから4旗門緩斜面を繋ぎ最大斜度20°の斜面へインターバル13.5mピッチ、ふり幅をワイドに保った27旗門、2対のコースが整然と立ち並ぶ。若干右に垂れたコースは、影響の少ないブルーコースに対し、緩斜面手前、ヒールサイドで何度か登るようにフォールラインをクロスする。後半の緩斜面へ向けても尚、ふり幅のワイドなセットがフィニッシュライン直前まで容赦なく打ち込まれた。インスペクションで悩む選手に追い打ちをかけるように、各選手の速度とバランスを蝕む予選が始まった。

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予選1本目、女子は初戦で圧倒的な速さを魅せつけた三木が海外遠征の怪我により今期中の復帰は絶望的となり、現在ランキングトップの#1志鷹(OGASAKA)からのスタートとなる。垂れのきついレッドコースを単走し41.18とまずまずのタイムで後続の出方を待ち受ける。続いて前回サンライバでも好調の#3勇上(SG)と#4吉井(BLACKPEARL)がそれぞれ42.41、42.78と並んでフィニッシュを切ると、前回、地元での勝利に勢いのついた#5宮武(SIG-NATURE)がスタート、ブルーコースから並んでゲートをくぐる#6丸山と共にペースを上げ、宮武40.75、丸山、40.69と互いに各コースのリーダータイムを叩き出した。直後に#7三塚(AMICSS)が42.07、#10村田42.72と割って入る。

続く男子は、開幕2連勝の野藤が不在。ツアーチャンピオンに向け闘志を燃やす新旧王者からの出走となる。女子のランを観るうえでやはりレッドコースのタイムがいまいち伸びず左右差は明らかのようだ。

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そのレッドコースより#1河島(AMICSS)、ブルーコースより川口(OGASAKA)のスタート。ほぼ同時に斜面を下る両者、垂れに捕まりスピードを奪われる河島をしり目に川口が先行するも、両者、面の出来上がっていないふり幅の大きい緩斜面にあえぎながらフィニッシュを切る。レッド河島37.28に対しブルー35.54と各コースの1番時計を叩き出し後続を見守る。直後にスタートを切った#3小嶋([SN])、#4杉本(SG JAPAN)はコースに翻弄され40秒台と失速。#5澤井(monster.jp)、#6KIMUTOMO(F2ALBERTA)は39.76、36.41と河島、川口の後ろにつける。各コースでセットを攻略しきれず沈む選手が続出する中、ブルーコースでは#8宮尾(OGASAKA)が37.54、#10戸田(SGUPZ)が36.51と3番手を固め,#12今(YONEX.MAC)が37.58、#14今井(F2*VOLTAGE)37.63と続く。鬼門のレッドでは#13成田(AMICSS)が39.95、すぐさま後ろから#15後藤(RABANSER)が39.45と澤井を躱しコース2番手に食い込んだ。

1本目、左右差が明白で順位の序列が判定しがたい。しかしながら徐々に掘れ出したコースにより垂れの大きいレッドコースのヒールサイドも形成されださしたバンクが受けることで、KOに向けて辻褄を合わせようとしてきている。
予選2本目、1本目のタイム順に各自グリッドにつく。
女子は宮武に対し1本目と同じオーダーの丸山からのスタート。1本目の左右差はいまだ残ったまま。1本目の接戦とは対象に2本目は優位な宮武が離しにかかる。男子1本目同様に2秒余りの差をつけて宮武が40.86で先にフィニッシュ。丸山は42.91とはいえ2本目ブルーの1番時計でゴールを切る。続く志鷹がレッドで42.01と僅かに丸山を躱し合計タイムで2番手につけKOに向け好グリッドをキープ。吉井がレッドコースで45.59と失速するも辛うじてKOグリッドを死守、隣を走る三塚は42.95と2本を揃え丸山の背後につけると、すぐさま勇上が42.61で合計タイムで三塚に同タイムで並び、三塚を躱し4番手のグリッドを押さえた。
三木、志鷹がコースを入れ替えスタートを切る。コースもそれなりの荒れが見え出し、KOファイナルに向け徐々に牙をむき始める。レッドコースの垂れの変化が微妙に選手を惑わし時計を遅らせる。三木が35.50に対し志鷹が35.70と肉薄。続く宮武35.76と接敵、同タイムながら志鷹を躱し2番手でKOに対し優位なグリッドを確保する。勇上が37.74、吉井が38.54、玉尾38.74と軒並み1本目より大きくタイムを下げながらも凌ぎを削る。

男子、温かい日差しの中、外気温はみるみるうちに上がり雪温も±0°に迫る勢いで春の装いを醸し出す。長い後半の緩斜面の対策に合わせ各自入念なワクシングを施す。2秒余りあろうかと思われる左右差を埋め戻す2本目のスタートは1本目と同じくコースを入れ替え川口、河島からコースインしてゆく。漸くレッドコースのバンクの受けが次のゲートへ導くようになりはじめ著しく速度を奪われることもなく両者ならんでフィニッシュへと走る。ほぼ同時にゴールラインをきり僅かに河島が36.68と間合いを詰めるも川口36.95、1本目の貯金を切り崩すことなくKOに向け1stグリッドを守る。続くKIMUTOMO、後藤もブルーの利を生かし先行する後藤が37.94の好タイム、僅かに前を譲ったKIMUTOMOが38.31でKIMUTOMOが河島の背後につける。

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直後、戸田が猛追、こちらもレッドコースながら37.81の好タイムでKIMUTOMOを躱し3番手に浮上、対する澤井も38.63で後藤の背後につける。続く宮尾は中盤コースに捕まり敢無くDQ、隣を行く成田は38.72と澤井に接敵。5組目、今と小嶋がペースを上げコースに躍り出ると、1本目のミスを挽回する滑りで小嶋が38.18で成田を躱し澤井の背後につける、今も38.91で後藤を躱しKIMUTOMOの背後5番手のグリッドを確保。佐川(F2)が38.82で成田の後ろにつけると、7組目から若林(OGASAKA)、大蔵(JENNY)、若林39.12で佐川に僅かに届かず、大蔵は39.28ながら澤井を躱し後藤の背後、7番グリッドを奪取した。

男子KOファイナルのグリッドは、
H1 16.原田 vs 1.川口
H2   9.小嶋 vs 8.澤井
H3 12.若林 vs 5.今
H4 13.田口 vs 4.KIMUTOMO
H5 14.杉本 vs 3.戸田
H6 11.佐川 vs 6.後藤
H7 10.成田 vs 7.大蔵
H8 15.清水 vs 2.河島
上位陣、川口、河島、戸田、KIMUTOMO、今、後藤6名は順当に勝ち上がり。混戦の中盤は小嶋、成田が順位を入れ替えた。

女子のKOオーダーは
H1 8.小松 vs 1.宮武
H2 5.三塚 vs 4.勇上
H3 6.金澤 vs 3.丸山
H4 7.吉井 vs 2.志鷹
激戦の女子1st RoundはH1、1本目0.21と間近まで迫られた宮武が2本目できっちり仕留め勝ち上がり。H2、こちらも1本目0.16差の接戦を三塚が制し順位を入れ替える。H3、0.73前を行かれた丸山は2本目に届かず金澤に敗れ順位を大きく落とす。H4、コース上に倒れた吉井は戦線に戻ることなく志鷹が駒を進める。

男子1/4Final。9位から勝ち上がった小嶋をきっちり仕留める川口に死角なし。

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予選から好調だったKIMUTOMOはKOで調子の上がる今に捕まり順位を入れ替える。戸田は1本目から後藤をしっかりといなし順当に勝ち上がり。AMICSS同士の潰しあいが続く成田は河島が留めを差し次に備える。

女子Semi Final
連勝も見えてきた宮武の勢いは収まらず、三塚に隙を見せない滑りできっちりと2本を制し決勝へと意気込む。1本目6位から勝ち上がる金澤に0.42と迫られるも2本目で勝負を決めて勝ち上がり今季初優勝へ向け決勝へ挑む。

男子は1本目、今の追従を許さず1.32のビハインドから2本目も危なげなく制した川口が順当に駒を進めた。

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一方、予選合計タイムでも0.36差と肉薄の2.河島vs3.戸田は1本目ブルーの戸田が0.57と河島を抑え、2本目に逃げ切り決勝へ名乗りを挙げる。

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3,4位決定戦、女子は0.23の僅差の1本目から金澤が逆転でお立ち台をゲット。男子も0.11接戦から今がこれも逆転劇を魅せ表彰台まで順位を上げた。

女子Final
前回の優勝からの勢いをその儘に更に調子を合わせてきた宮武の好調ぶりが滑りに現れる。

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落ち着いた滑りをみせる宮武に対し果敢に攻める志鷹が中盤でコースに捕まり宮武の後塵を浴びる。1.38のビハインドを受けての2本目、先に出て自身の滑りに徹する宮武を後から追う志鷹、徐々に間合いを削り1旗門差を消し去ろうと仕掛ける志鷹、8旗門目へストレートに狙ったヒールサイドが掘れに捕まりバランスを削がれる、僅かに外へ飛ばされたラインに體を合わせるもエッジは乗らず速度を失う。再び離された距離は縮まることもなく宮武が一人旅をすることになる。

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最終旗門手前で志鷹の気配を見遣る宮武、フィニッシュを切ると諸手の拳を挙げ拍手で自らの今季2勝目を称えた。

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女子リザルト
1位 宮武祥子プロ
2位 志鷹あかりプロ
3位 金澤野愛プロ

男子Final
風邪の影響を露とも見せず予選から堂々たる滑りを魅せる川口に対し虎視眈々と勝機を伺う戸田が決勝の初舞台を踏む。

 

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まずは1本目予選から危うさを一切見せない川口の滑りが戸田を圧倒、落ち着きを払ったダイナミックな滑りで戸田を引き離し1.28のビハインドをつけ折り返す。およそ1旗門分の差で先にコースに飛び出す川口の背中を追いかけスタートを合わせる戸田がタイトにゲートをついて攻めるも、冷静沈着にコースを攻略する川口は戸田の追従を許さない。

 

ヒールサイドへの切替でノーズの暴れる板をねじ伏せる戸田の猛追も届かずや。

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最終旗門、フィニッシュラインを待たずに右手を握りしめ勝利を噛み締める川口。ゴールエリアで待ち受ける志鷹、宮武の激励に「ありがとう。」と応える枯れた声が、川口の中での闘いの激しさを忍ばせる今大会であった。

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男子リザルト
1位 川口晃平プロ
2位 戸田大也プロ
3位 今拓洋プロ
4位 河島広輔プロ
5位 木村智裕プロ
6位 後藤友樹プロ

昨年より黒姫スノーパークに舞台を変開催された「9th CSBA on SNOWFRSTA DU」。中部スノーボード協会様や黒姫スノーボーディングスクール様をはじめ黒姫高原スノーパークのスキー場関係者様のご協力のもと、無事に閉幕できたことを深く感謝いたします。

3戦を終えたところで、女子は、三木が怪我で戦線離脱、連勝で勢いずく宮武に志鷹がどこまで食らいつくか。
男子は開幕2連勝の野藤の居ぬ間の川口が優勝。最終戦に勝ち星が欲しい河島が勝機を伺う。

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次戦‪3月3日‬、最終戦は信州菅平高原パインビークスキー場にて 「GSS presents Sanada Juyushi CUP 2018」。GSの開催となります。ツアーチャンピオンの行方は誰の手にもたらされるのか!?
翌日に開催される「PSA ASIA CHANPIONSHIP」PGSと、2日連続の熱い戦いが繰り広げられることとなります。
行方の知れぬトップ争いに拍車がかかるPSA ASIA ALPINE プロツアーに目が離せません。 次回もご期待ください!

All photo by GOKATSU