KINGSのスキルを雪山に反映させるには

まず最初に。
今回の記事はオフシーズンの施設をガチムチの上達手段にしたいと思っている人向けです。
人によっては確実に温度差がある内容ですのでご注意を。

私がKINGSで覚えた技で雪の上でも立てたトリック
BS900コーク テール
FSダブルコーク900
SWBSダブルコーク1080
フロントフリップ
SWBSロデオ540

私がKINGSで覚えた技で雪の上で立てていないトリック
SWBSロデオ720
SWBSロデオ900
FSダブルコーク1080
BS1080テール

これは私が初めてKINGSに行った年(オフシーズン4年分)
から数えたものです。神戸、小布施は問わず。
神戸の古株から見れば新参でしょうが、もうそこそこ年数が経っているんですね。

今年は5シーズン目のオフのKINGSシーズンです。

初年度は酷いもんでした。
まずKINGSで覚えた事を雪山で活かせるようにすり合せするのが大変でした。
マットだからと安心してとにかく技だけを練習したけど、着地を想定した練習が出来ていないので山のキッカーで出すのが怖かった。

2年目はカムイ竜ヶ崎で覚えた事を試しました。
ランディングは柔らかい施設だったので、そこそこのトリックは試せる。
でも、ダブルコークなんかの大技は試せないのでぶっつけ本番。
パウダーや春の特設キッカーの撮影で出したけど、ボコボコでした。大怪我が無かったのは偶然としか良いようがないくらいやられました。

3年目は変えました。
着地を「立てば良い」
ではなく、実際にリップに活かせる抜け方、立ち方、その立てる状態に持っていく返し方、「自分の滑りに併せて」試行錯誤しました。
ここからやっと少しづつKINGSを冬に活かせるようになってきたと思います。

こういうのって、スタッフや経験者にしっかり聞いて採り入れれば早いのに、自分もいっぱしにやって来たから、というつまらないプライドが邪魔したんですよね。聞くのを、採り入れるのを面倒くさがってしまいました。

結果、KINGSで思い描いていた自分よりも進歩の速度が遅い。
これは、今のスタッフと言う立場ではなく、去年までの「KINGSに通ってたライダー」としての感想です。
確実に言えます。俺が体験した事。
「変に存在するこだわりが進歩を遅らせる」

そして今年。働いていて滑っている人を見てると思います。
KINGSを雪山に完全に活かせるようになっている人と、その体験をまだしていない人もしくは活かせていない人とでは、確実に、立った!出来た!と思っているラインが違うんです。

なるほどな、こういう所を活かせれば良いんだなとか、よく気付かされます。

なので、今気持ち良く練習をしていてそれを駆使して次の冬はヒーローになろうと企てている方はもう一度、それが本当に立てるのか?出来るのか?そもそも出せるのか?
それを見直してみて下さい。

まだゲレンデにキッカーが開くまでは三ヶ月、充分に時間はあります。

時間とお金かけて怪我のリスクが少ない所で覚えた事が山での怪我の引き金になってしまった。
そんな事にはなって欲しくないし、オフシーズンのトレーニング施設なんだからオンシーズンに活かせることに越した事は無い。

何より今年は働かせていただいている身分ですので、次のオフシーズンに
「練習した事が山でバッチリ決められましたよー!それで彼女も出来て仕事もうまくいってリア充ウハウハですよー!」
てな感じで皆さんが笑顔でまたKINGSに戻って来てもらえるのが一番の仕事冥利に尽きますから!

長ったらしく書きましたが、今回の記事で言いたかった事は最後の文でした。