Photos: ONOZUKA AKIRA
Text: HaruAki
Model: Raito Honda
Special thanks: Murasaki Sports
※2017年 FREERUN BEST GEAR CATALOG 掲載記事より
スノーボードにどっぷりとハマっていた人が子供を授かり、ある程度の年月が過ぎると誰もが願うこと。「子供と一緒にスノーボードがしたい」。そうなると気になるのが、やっぱりキッズギアのことだろう。そこで本企画では、ギア選びで失敗しないためのヒントと、オススメのギアを紹介していく。(前編 1〜5のこと)
子供のギアを買うときは、「年に何回行けるかな?」「本当に続けてくれるかな?」「何年くらい使えるかな?」といった不安があります。なので、個人的には最初はレンタルギアでチャレンジさせるのもアリだと思うんです。ですが、レンタルショップのなかには長年使用され続けているギアもあり、上達をサポートするとは言いがたいレベルのモノもあります。スノーボードをしていて足が痛くなったり、お尻がビショ濡れになってしまったりすると、すぐに子供のテンションは下がるもの。いいギアは、より快適なスノーボードに繋がることだけは覚えておいてください。
また、上達を第一に考えるのであれば、いつも同じギアを使うほうが近道になります。ですので、たとえレンタルする場合も、できるだけ同じブランド、同じモデル、同じサイズを選んであげましょう。ただ、可能であればブーツだけは購入したほうがいいと思います。現地でスノーブーツとしても使えますし、もっとも快適さのカギを握るアイテムになりますので!
ギアを購入する際の優先順位
ハードギアであれば、まずはブーツを優先して選びましょう。ブーツサイズが決まって、他のギアのサイズも決定しますから。ただ、ボードやバインディングを購入する前に、雪遊びも旅行の目的である場合は、ウエアとグローブを優先させるのもアリだと思います。新品で機能性の高いブーツとウエア、そしてグローブがあれば、雪上で快適に遊べるはず! もちろんレンタルもありますが、直接肌に触れるアイテムなので、メンテナンスによっては衛生的ではないこともあるんです。
このギアから購入するべきという順番に関しては、それぞれのファミリーのニーズによって、ある程度は変更していいと思います。またキッズギアを買うときは、基本的に2~3シーズン使えるモノを選ぶといいでしょう。
ジャストサイズすぎると翌シーズンに使えなくなることもありますが、逆に長すぎると子供の体格に対して重すぎたり扱いづらくなってしまいます。なので、ボードの全長は子供の目線あたりが目安です。ただし身長だけではなくて体重もチェックポイントです。各ボードには推奨体重も記載されていますので見逃さないようにしましょう。
横滑りや直滑降、遅いスピードでのターンであれば長めのボードのほうが安定します。本格的に取り組むようになり、子供の技術がアップすれば、目安の長さより短くても問題なく楽しめると思います。
キャンバーボードor ロッカーボード
横滑りや直滑降から卒業できない場合はキャンバーがオススメです。どっしりとした安定感がありますからね。ただ、ボードを動かすという点ではロッカーに軍配が上がります。子供の弱い力でもボードを動かしやすいので、ターンを繰り返すならばロッカーがオススメなんです。ただ、ターンのキレを求めるレベルになったなら、キャンバーに切り替えたほうがいいでしょう。
大人と一緒でサイズがブーツにフィットしていることが大前提です。またキッズのバインディングに硬いモデルは少ないと思いますが、最初のうちは足首を動かしやすいソフトフレックスのモデルがいいですね。
それに加えて、ひとりでも着脱がしやすい1ストラップのモデルがオススメ。特にグローブがミトンの場合は、1点留めのタイプのほうが圧倒的にラクなんです。滑りのレベルが高くなって、よりクイックな反応がほしくなったときに2ストラップのモデルに買い替えればいいと思います。
子供の成長を考えてしまうと、どうしてもオーバーサイズを選んでしまいがちです。ですが、あまりに大きすぎると滑っているときにカカトが浮いてしまいます。また、スノーボードとブーツとのセンタリングが上手くできないため、ツマ先側のターンがやりづらくなる可能性が高いんです。……と言っても、ジャストサイズよりも多少は大きくても問題はありません。また、中敷きを外すことで2~3シーズンほど使えるモデルもあります。できるだけ子供のサイズに合わせることが、上達の秘訣であることは覚えておいてください。
締め上げるタイプはBOAがいいですね。足を通して、床でカカトをトントンして、あとは回すだけですから。ベルクロのタイプよりも力を必要とせず、子供だけでも締め上げることができると思いますよ。あとはソフトフレックスのモデルを選んであげましょう。
ジャストサイズだとウエアが突っ張って動きづらかったりします。逆に大きすぎるサイズでも動きづらく、重量もあるため子供の負担になるので避けたほうがいいでしょう。オーバーサイズすぎると雪もウエア内に入りやすくなりますからね。基本的にはやや大きめを選ぶのがいいと思いますが、パンツだとブーツにたるんで乗っかっているくらいが目安。スノーボードや雪遊びをするときは、それくらいのサイズ感が動きやすいんです。
また、最近のウエアでは子供の成長に合わせてサイズを調整できる機能が搭載されているモデルもあります。あたたかく、動きやすく、濡れず、そして子供が気に入っているデザインを選んで、2~3シーズンは使ってもらいたいですね。
イチオシのアイテム
ビブパンツが特にオススメですね。腰まわりから雪がウエア内へと入らないのがメリット。親御さんはトイレのことを心配されますが、通常タイプのパンツと労力は変わらないんです。また、暑くなったときにジャケットを脱いでも、上着の裾がパンツから出ないので、ビショビショになりづらいんですよ。子供が着用すると本当にカワイイですしね!
寒がりっ子 or 暑がりっ子
寒がりの子供にはフリース生地が裏地に付いているような保温力の高いウエアがオススメです。ただし、暑がりの子供にはインナーをきちんとレイヤリングしてあげて、アウターは防風機能に優れたモデルを選ぶほうがいいと思います。どうしても汗をかくと、身体が冷えてしまいますから。子供の体質に合わせてウエアを選ぶこともポイントなんです。