10th CSBA on SNOWFESTA -Round 8-

18.19 PSA ASIA SNOWBOARD PRO TOUR 

Round 8

『10th CSBA on SNOWFESTA 』

長野県「菅平パインビークスキー場」

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2年ぶりに戻ってきた10th CSBA on SNOWFESTA はよませ温泉スキー場での開催。PRO TOUR AL はシーズン半ば早くも最終戦となる。

現在のランキングで男女共にトップの宮武、野藤が欠場。女子は2戦目優勝の越坂も欠場となり志鷹が勇上に大きく離されなければタイトルを奪回することになる。男子は、今季2位と3位を分け合う戸田と河島、互いを上回ればツアーチャンピオンが決まる。

魚上氷、晨風は東雲まで。延びた日脚が、凛と冷えた高社の背後を碧く染める。全長450mのメイプルリーフコースへ26対の旗が竝ぶ。コース序盤と後半に其々、左右のバナナが配置されフォールラインとリズムを変える。KOを見据えて打たれた C UNISON 長岡氏の絶妙なセットが予測を超えるゲームを醸すこととなる。

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予選1本目 ブルーコースの志鷹がタイトル奪取へと単走、一人旅へ出る。内手で雪面を探りポジションを低く保ちながらゲートを狙い、6旗門目の左バナナからフォールラインへと舵をきり中腹へと飛ばす。中盤、リズムを広げ僅かにフォールラインを外れながらゴールを低く左から覗くと、終盤20旗門目の右バナナから再びフィニッシュへとトウサイドを走らせる。先ずは志鷹 (OGASAKA) 34.97で後続を待ち受ける。2組目、レッドコース勇上 (SG) 38.43、ブルーコース金澤 (OGASAKA)36.87。3組目から吉井 (BLACKPEARL)36.46 、三塚 (AMICSS)35.79 と割って入る。

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男子は戸田と河島からコースイン、予選から既に始まるタイトル争いが静かに始まる。僅かなミスがタイトルの行方を左右する。横一線互いに譲らず。

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僅かに前でフィニッシュを切る戸田 (UPZ) 31.79。半身の河島 (AMICSS) 32.16と後続の結果を待つ。2組目のレッド今井 (VOLTAGE) が33.58 ブルー小嶋 ([SN])32.85。3組目、レッドで単走の清水 (Oxess) が一人落ち着いて攻略、32.03と戸田の背後に迫る。4組目、澤井 (KESSLER) が今井を躱し33.27でレッドコース3番手を奪取、ブルーKIMUTOMO (F2*ALBERTA)は34.02、5組目レッド成田 (AMICSS) 33.73。

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ブルー佐川 (kessler) は32.46と河島に迫りブルー2番手を固める。6組目、若林 (OGASAKA) 33.99、黒木 (MOSSFLUX) 33.66。タイムからコースの左右差が見え隠れする。起伏の少ないブルーがよく走るか。7組目、レッド杉本(SG JAPAN) 34.19に対し、

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ブルー翠川 (OGASAKAALC)が32.53と佐川に接敵 、8組目の富田 (OGASAKA) 34.18、後藤 (RABANSER)も32.86とし小嶋を躱す。10組目からは青山 (AMICSS) が33.65、橋本が32.66と好ポジションへ付け2本目へと折り返す。

予選2本目を前に、コース整備を兼ね再度インスペクションが行われる。前日の予報を大きく外れ一気に気温が上昇すると雪も緩み水を含む。

コースを入れ替え女子予選2本目のスタート。レッドコースの吉井、ブルーコースから志鷹がスタートを発つ。並走し同じリズムで板を返し麓を目指す。互いに譲らず並んでフィニッシュを切ると、吉井36.45、志鷹36.49とし志鷹が1stグリッドを護った。2組目勇上、三塚。勇上がレッドで前を走り37.90、三塚は38.89となるが合計タイムで三塚が3番手を死守。3組目玉尾 (Sasakijuku) が37.94で勇上の背後につけKO進出を決め、38.15と合計タイムで勇上を躱した金澤が4番手に上がる。続く若林 (RABANSER)は39.22で7番グリッドを確保した。

男子2本目、1組目、再び戸田と河島、2人が逃げ切ればKOの決勝まで相見える事無く頂上決戦になるか。揃ってスタートを離れる2人がリズムを合わせて旗門を攻める。1本目同様、戸田が32.69、半身遅れての河島が33.26で後ろを待つ。2組目、清水、佐川も猛攻をかける。1本目に違わずの速度でフィニッシュを切ると、清水が31.91とし合計タイムで戸田を躱しリーダーに躍り出た。対する佐川も33.33の好タイムで河島の背後につける。3組目、澤井33.19、翠川33.46、続く今井33.38、橋本34.01から5組目、青山33.11、後藤33.17が5番に浮上、KOのグリッドを埋めてゆく。2本目34秒台で堪えた小嶋、宮尾 (ALC-OGA) 、黒木、杉本、成田、富田がKOへと駒を進めた。

KOを控えてのウエイティング、日差しが頬を射し更に雪温を上げる。予選の結果、清水が初の1stグリッドから頂を伺うことで、予選2位の戸田と予選3位の河島がセミファイナルでかち合うこととなり、シーズンタイトルを決めた後に優勝の箔をつける算段となるか。KO男子1st Round の組合せが興味深い。前回、菅平でのDU同様、ヒールサイドの掘れがキツいレッドコースを先に奔る上位陣が、相手に貯金を与えずにブルーコースを迎えることで分が大きい。

Heat1. #16富田(OGASAKA)    vs #1清水(Oxess)

Heat2. # 9 青山(AMICSS)       vs #8橋本

Heat3. #12宮尾(ALC-OGA)     vs #5後藤(RABANSER)

Heat4. #13黒木(MOSSFLUX) vs #4佐川(kessler)

Heat5. #14杉本(SG JAPAN)   vs #3河島(AMICSS)

Heat6. #11小嶋([SN])              vs #6翠川(OGASAKAALC)

Heat7. #10今井(VOLTAGE)    vs #7澤井(KESSLER)

Heat8. #15成田(AMICSS)       vs #2戸田(UPZ)

H1.1本目0.82差の富田を清水が押さえると、H2. 8位、9位の僅差対決、先にブルーを駆る青山が0.32勝るも2本目、橋本がこれを上回り勝ち上がる。H3.0.11差に迫る宮尾を2本目に後藤が突き放した。H4.黒木が0.39差で迫るも佐川が2本目も快走し次へ駒を進めた。H5.僅かに腰の浮く河島より低く攻める手負いの杉本が0.02で折り返し2本目も捲し立てるが、目の覚めた河島と並走するもラインを外し息絶える。H6.下位の小嶋にレッドで0.09と堪えた翠川が2本目を制し次に備える。H7.リズムが乱れた澤井を大きく引き離した今井がそのまま下剋上を果たし順位を上げる。H8.1本目から0.68差で逃げる戸田が成田をねじ伏せた。

1/4fainal を迎え各8名、女子の布陣は

Heat1.#8朝倉                       vs #1志鷹(OGASAKA)

Heat2.#5勇上(SG)               vs #4金澤(OGASAKA)

Heat3.#6玉尾(Sasakijyuku) vs #3三塚(AMICSS)

Heat4.#7若林(RABANSER) vs #2吉井(BLACKPEARL)

 

H1.志鷹が1本目から朝倉を大きく引き離し順当に勝ち上がる。H2.ブルーを先に駆る勇上に並走し0.56と我慢した金澤が2本目に前に出て接戦を制す。H3.1本目レッドで大きく玉尾を引き離す三塚、2本目も追従を許さずセミファイナルへ進む。

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H4.1本目危うく若林に0.03と迫られるも、立て直した2本目で引き離した吉井が駒をすすめた。

男子、改めて、勝ち上がりは次のとおりとなりヒートアップ

Heat9.   #1清水(Oxess)           vs #8橋本

Heat10. #5後藤(RABANSER) vs #4佐川(kessler)

Heat11. #3河島(AMICSS)        vs #6翠川(OGASAKAALC)

Heat12. #10今井(VOLTAGE)   vs #2戸田(UPZ)

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H9. 1.32と離された橋本の力及ばず、清水が勝ち名乗りをあげる。H10. 1本目、スタートダッシュ後藤が前へ出ると、ジワリと離される佐川が堪らずヒールサイドで捕まりペナルティータイムを背負う、2本目に挽回することはなかった。H11.1本目1.36と翠川を離した河島、2本目も引き離し、先に戸田を迎える。

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H12.1本目、KOで息を吹き返した今井がレッドコースで耐える戸田に食らえつき0.05抑え折り返す。食い下がる今井をジワリジワリと引き離し勝を得た。

篩落とされ勝残った Semi Fainal。女子1組目は志鷹が金澤を1本目から悠々と引き離し危なげなく決勝へ向かった。残る三塚と吉井は、先にレッドを駆る吉井が必死に堪えて三塚に食らえついて0.34と僅かな借金を抱え折り返すと、すぐさまスタートで帳消しにしレッドコースで苦しむ三塚を置き去りにし勝ちを取った。

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男子準決、後藤vs清水。1本目、後藤は荒れたレッドコースを苦ともせず、予選から波に乗る清水を捉え並走する。引き離しきれない清水の貯金は0.16。2本目、リセットされ再度並ぶ二人、序盤バナナ下、ヒールサイドで足を取られる後藤は落ち着き逸って目の前の清水の背中を追うと、終盤、後藤のプレッシャーに耐えきれず清水のボードから圧がきえ消沈、後藤が久々の決勝の舞台へと向かう。予選で速さを魅せた清水が順位を落とすも、予想外の変数が決勝前のタイトル争いと影響を与えた。今季消化の2戦は互角、どちらかといえばDUでの成績が上の河島に分があるか。予選タイムで上を行く戸田に秘策はあるか。同時にスタートを切るとレッドの戸田が飛ばしにかかる。浮足立った河島が6旗門目のバナナで失速、我に返った河島が1旗門先の戸田を追うとスルスルと間合いを詰め並びにかかる。河島の猛追、残り6旗門で戸田のボードがラインを外れ速度を完全に失った。1.90のペナルティ-タイムを背負う戸田がブルーから先にスタートを発った河島を追う。先ほどの教訓を糧に着実にゲートを処理する河島に猛追をかける戸田であったがペナルティ-タイムは遠く縮めきることはかなわなかった。

3位決定戦。女子は金澤が三塚を抑え順位を上げ表彰台へ、男子も戸田が抑えこみ清水の順位を引きずり下ろした。

 

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決勝。女子の志鷹に死角なし、ブルーコースを先にスタートから吉井を引き離し大差をつける。2本目ペナルティータイムを背負う吉井が追うも更に先を行く志鷹が悠々とフィニッシュを切り3戦ぶりの勝ち星を収めタイトルを奪回した。

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Women Result

優勝 志鷹 あかり (OGASAKA)

2位 吉井 なな  (BLACKPEARL)

3位 金澤 野愛  (OGASAKA)

今季初参戦の後藤が予選5位から戦況をかき乱しゲームを展開。今日一番、際立っての安定感をを魅せつつ、DUを専らとする捷さが厚みを増し期待も高まる。既にチャンピオンを決めた河島は優勝でタイトルを飾りたい。仕切り直して、閑か闘志に火を燈す。時を待たず両者がスタートを蹴り発つとブルーの後藤が序盤からリズムを創り軽やかに板を返す。河島は傾きかけた木漏れ日の陰が延びはじめたレッドコースを後藤に遅れまいとピッチを上げる。攻防は緩まず。2本目、僅か0.30。両者スタートは頗る巧い。十分な蓄えでなくレッドコースで消耗する。

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河島の追従を躱すためにもペースを上げる。ブルーを活かし徐々に間合いを詰めにかかる。レッドコースで堪える後藤のペースを河島が超えようと仕掛ける。離せぬ後藤のヒールサイドが甘く入ると外へ弾かれラインが乱れる。立て直す間に河島が躱し前へ出ると後藤を従えフィニッシュを切った。2年ぶりの優勝と共に2年ぶりのタイトルも奪取しシーズンを締めくくった。

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Men Result

優勝 河島 広輔 (AMICSS)

2位 後藤 友樹 (RABANSER)

3位 戸田 大也 (UPZ)

4位 清水 大智 (Oxess)

5位 佐川 佳幸 (kessler)

6位 翠川 孝博 (OGASAKAALC)

駆け足で幕を閉じる AL PRO TUOR 。急進する若手に、立ちはだかるベテラン勢の熱い戦いが繰り広げられ、来期も楽しみな展開が期待できます。

中部スノーボード協会様、よませ温泉スキー場様をはじめ、各関係者様のご協力のもと、無事に閉幕できたことを深く感謝いたします。

残すはエキシビションのPSA ASIA CUP と舞台を中国へと移し開催されます。引き続きご期待ください。

 PSA ASIA TV: www.psa-asia.com/live

よませ温泉スキー場 :  http://x-jam.jp/

ALL PHOTO by GOKATSU