2018年3月末日、長野・白馬47にて「COWDAY 2018」が開催された。そのハイライト動画がアップされたので、ここでは写真で大会の模様をレポートしていこう。
Photo: Kentarou Fuchimoto

ハイライト動画はコチラでチェック!

現在、国内で行われるフリースタイルのビッグコンテストは残念ながら減少傾向にある。だが、このCOWDAYは回を重ねるたびに規模や賞金総額がアップし、さらに参加希望ライダーも増え続けている。いまや日本最強のフリースタイラーを決定するコンテストとしての地位を確立したと言っても過言ではない。今大会もオリンピック出場者からベテランライダー、10代前半のニューエイジまでが、賞金総額150万円をかけて、ジャンプとジブで熱戦を繰り広げたのだから……。

Photo: Fuchimoto Kentarou

 

1260が当たり前!? 激しいジャンプ合戦

Photo: Fuchimoto Kentarou

まずはジャンプから。約20mのキッカーを舞台に、本戦は招待ライダーに加えて、前日の予選を勝ち上がったライダーの合計20名が参戦した。今大会の面白いところは、女性ライダーにはプラス360度がスピンに加算され男女混合で行われる点だ。さらに高難度だけでなくスタイルも必要とされるステージが存在することも付け加えておこう。なので、ライダーは総合滑走能力と自己表現の豊富さが求められ、ギャラリーにとっては本戦予選、セミファイナル、ファイナルと、どのタイミングで観戦しても飽きない構成になっている。

Photo: Fuchimoto Kentarou COWDAYのジャンプ部門で3連覇中の王者・角野友基も気合いが入っていた
COWDAYのジャンプ部門で3連覇中の王者・角野友基も気合いが入っていた

ジャンプの大会ルールは次のとおり。本戦予選は3ランのベスト2本(同じ回転はマイナス)の合計ポイントの上位12名が勝ち上がり、続くセミファイナルでは回転数や難易度ではなくスタイルが勝負のカギとなる。2ランのうちスタイルをジャッジされたベストポイントの上位8名が次のステージへとコマを進めることができるのだ。そしてファイナルトーナメントは3ランのうち2本のベストポイントによるノックダウン形式。このステージでは対戦相手のトリックを見ながら、勝つための作戦が必要になってくる。最後のスーパーファイナルでは自身が持てる最高難度のトリックを存分に出せるように、3ラン中の1本のベストスコアによってで優勝者が決定される、といった具合だ。果たして角野友基の4連覇はなるのか?

Photo: Fuchimoto Kentarou 前日の予選をトップ通過した荻原大翔だったが、残念ながら本戦予選では着地に嫌われてしまった
前日の予選をトップ通過した荻原大翔だったが、残念ながら本戦予選では着地に嫌われてしまった

本戦予選は王者・角野に加えて、ピョンチャン五輪日本代表の大久保勇利、國武大晃、そして全日本選手権で優勝し波に乗っている宮澤悠太朗、13歳ながら1260を持ち技にしているスーパーガール村瀬心椛らが順当に勝ち上がった。

Photo: Fuchimoto Kentarou スイッチバックサイド180中にトゥイークを放つ角野友基
スイッチバックサイド180中にトゥイークを放つ角野友基
Photo: Fuchimoto Kentarou 高回転スピンもスタイルも安定感が抜群だった宮澤悠太朗
高回転スピンもスタイルも安定感が抜群だった宮澤悠太朗

だが、セミファイナルでは、独特のスタイルでギャラリーを魅了していた大久保と、このステージを抜ければ優勝がグッと近づく村瀬が姿を消すことに……。

Photo: Fuchimoto Kentarou まさに男勝りという言葉がピッタリだった村瀬心椛のエア。すでに貫禄あるオーラを身にまとっていた
まさに男勝りという言葉がピッタリだった村瀬心椛のエア。すでに貫禄あるオーラを身にまとっていた
Photo: Kentarou Fuchimoto 大会の模様はライブ中継が行われていた
大会の模様はライブ中継が行われていた

さらにファイナルトーナメントでは大波乱の連続が待っていた。着地に失敗してヒザを負傷してしまった角野友基、オリンピックで知名度が一気にアップした國武大晃、ピョンチャン五輪の韓国代表のミンシク・リー、そして宮澤悠太朗が次々と姿を消したのだ。彼らに勝利したのは、相澤亮、濱田海人、大橋陸飛、神宮寺海人という新興勢力とも言える10代ライダーたち4人。次世代の計り知れぬパワーを感じたステージとなった。

Photo: Fuchimoto Kentarou スピン数も自身の限界に挑み、常に攻めのライディングが印象的だった神宮寺海人
スピン数も自身の限界に挑み、常に攻めのライディングが印象的だった神宮寺海人

スーパーファイナルのバトルがスタートすると、1260、1440スピンが当たり前のように次々と飛び交った。ときに大会で使用されていたキッカーのサイズでは少し厳しいかと思われていた1620も飛び出す始末。実に激しい空中戦が繰り広げられた。そんななか優勝を飾ったのは、鍛え上げられた身体から放たれるキレのあるスピン、そして着地の安定感が群を抜いていた相澤亮。前年の準優勝から、見事、栄冠を勝ち取った結果となった。

Photo: Kentarou Fuchimoto 誰よりも飛び、誰よりもメイク率が高かった相澤亮
誰よりも飛び、誰よりもメイク率が高かった相澤亮

ジャンプが行われていた時間帯は気温も高く、リップやランディングをいい状態でキープするのが難しい状況だった。けれど、ディガークルーの丁寧な整備のおかげで、参戦したライダーの多くは最後まで自身の限界近いトリックを披露し続けることができた。スタイリッシュなエアや超絶トリックを見ようとギャラリーが増え続けたのは、同じトリックのオンパレード状態にならなかった大会ルールと、関係者の努力があってこそ。こうして、大勢のギャラリーに囲まれながら、オリンピアンをも打ち負かす次世代ライダーたちのポテンシャルの高さを目撃できたジャンプ合戦は幕を閉じたのだった。

Photo: Kentarou Fuchimoto 次々と飛び出す驚愕トリックが、多くのギャラリーを自然と集めた
次々と飛び出す驚愕トリックが、多くのギャラリーを自然と集めた

<ビッグエア_リザルト>

1st_相澤亮

2nd_神宮寺海人

3rd_大橋陸飛

4th_濱田海人

Photo: Kentarou Fuchimoto

 

何が飛び出すか予測不能のジブ合戦

Photo: Kentarou Fuchimoto

太陽が山に隠れ、気温もグッと下がった頃、白馬47のエントランスに組まれた特設ジブステージで、ジバーたちのアツいセッションが繰り広げられることに。COWDAYの第二幕のスタートだ。

まずはメンズの予選AヒートとBヒートが行われた。ここでも日本屈指のジバーである長谷川篤をはじめ、ムービーで活躍している有名ライダーが多く姿を消すことに。ファイナルは、予選ヒートを勝ち上がったライダー10名と、ウィメンズのファイナリスト10名によるジャムセッションとなった。

Photo: Fuchimoto Kentarou 随所に玄人ウケするアクションを織り交ぜながら自身の滑りを披露し続けた高尾翔馬
随所に玄人ウケするアクションを織り交ぜながら自身の滑りを披露し続けた高尾翔馬

ジブのファイナルは、ジャッジがコース下で待ち構えており、トリックの完成度やスタイルによって、コイン(全部で200枚)が渡されるというもの。その後、一般オーディエンスたちに配られた100枚のコインを投票してもらい、獲得数がもっとも多かった者が優勝するというルールとなっていた。明確なポイントはないので、スタイルで魅せるか、ダイナミックなトリックでギャラリーを沸かせるか、いぶし銀な玄人技で勝負するか、ひとつの高難度トリックにかけるか……、といった具合に、ジャンプ同様にライダーによって見せ方は自由に選ぶことが可能。つまり、多種多様なトリックが見られるわけだ。

Photo: Fuchimoto Kentarou どっしりとした安定感のあるボードスライドで、様々なアイテムを次々とねじ伏せた藤森由香
どっしりとした安定感のあるボードスライドで、様々なアイテムを次々とねじ伏せた藤森由香

ウィメンズでは藤森由香と村瀬心椛が安定感のあるトリックを次々とメイクする姿が印象的だった。メンズでは山本コンラッドの勢いのあるBS360インや、高尾翔馬のレールのインにボードを当て込んでからの5-O、大久保勇利のキンクレールのフラット部分を狙ったトランスファー、濱田海人のBS450インなど、挙げればキリがないくらいのトリックが飛び出し、アッと言う間に30分が過ぎ去るほど白熱したバトルが繰り広げられた。

Photo: Kentarou Fuchimoto ジャムセッションの中盤以降は、BS450インにこだわり続けた濱田海人。ラスト1本でメイクする勝負強さで会場を沸かせた
ジャムセッションの中盤以降は、BS450インにこだわり続けた濱田海人。ラスト1本でメイクする勝負強さで会場を沸かせた
Photo: Kentarou Fuchimoto 豊富なトリックバリエーション、独特なスタイル、メイク率の高さでジャッジとギャラリーのハートを射止めた大久保勇利
豊富なトリックバリエーション、独特なスタイル、メイク率の高さでジャッジとギャラリーのハートを射止めた大久保勇利

結果はトリックの豊富さ、メイク率の高さがジャッジとギャラリーに評価されたのだろう。ウィメンズは藤森、メンズは大久保というオリンピアンの2人が優勝を飾った。

<ジブ_リザルト(ウィメンズ)>

1st_藤森由香

2nd_村瀬心椛

3rd_松田麻衣子

Photo: Kentarou Fuchimoto

 

<ジブ_リザルト(メンズ)>

1st_大久保勇利

2nd_濱田海人

3rd_山本コンラッド

Photo: Kentarou Fuchimoto

こうして、日本最強のフリースタイラー決定戦と呼ぶにふさわしいCOWDAYは、新たな若き才能あるライダーたちが大暴れして終幕したのだった。

Photo: Kentarou Fuchimoto

 

最後に、本大会の実行委員長を務める岡本圭司に、COWDAYを開催し続ける意義について語ってもらった。

Photo: HaruAki
Photo: HaruAki

「やっぱりデカい大会がないとライダーも盛り上がらないですからね。自分の時はX-TRAIL JAMやTOYOTA BIG AIRがありましたが、今はもうひとつもない。だから、自分たちで、いろんなライダーが自分をアピールするチャンスを作りたいってのが目的なんです。COWDAYのコンセプトは『RIDER FIRST』。ライダーの意見を聞いて、ライダーが楽しむためにやってます。もちろん、ライダーだけじゃなくて、世界基準のトリックが飛び出すコースを設計できるクルーが日本にいるってことも示したい。世界に劣らないパーククルーが日本にもいますからね。そして、ずっとブレずにやってきたおかげか、今大会になってジブに関しては映像をメインにしてるライダーたちも数多く出場してくれるようになりました。もっともっとみんながこの大会を楽しみにして声を上げてくれたら嬉しいし、それを楽しみにしてくれるファンが増えれば最高です」

また、FREERUN編集部がCOWDAYを取材し、大会を盛り上げた2人の注目ライダーのインタビューは後日掲載する予定なので、お楽しみに!