戸塚優斗 独占インタビュー「1440の完成度は上がってきた、ここからはもっとスタイルを追求していきたい」

TOTSUKA今シーズン、世界の舞台で活躍する日本のトップライダーたちのなかで、ひと際目立った活躍ぶりを見せてくれたのが、戸塚優斗、現在17歳の若きスノーボーダー、アスリートだ。急激な成長を遂げた昨シーズン、平昌オリンピックの決勝まで進み、1本目は終盤で転倒し結果を残せず、攻めにいった2本目、ファーストヒットで特大サイズのダブルコーク1440(FSダブルコーク1440)からの着地ミス。リップに叩きつけられ負傷、3本目を棄権。今も記憶に残っている人も多いだろう。幸い怪我は大事には至らず、すぐに復帰を果たした戸塚。そこから今シーズンの好調ぶりに至るまで、彼の胸中を探ってみた。

Q: とにかく、今シーズン、戸塚くんの好調ぶりはTVのニュースでも何度も目にするほど、大きな話題となりました。まずはお疲れさまでした。こういった結果につながるまでに、昨年の平昌オリンピック以降、いろいろなことがあったと思うんですが、まず、オリンピックの直後ってどうだったのか気になるんですが、ファイナルまでいって、2本目のファーストヒットを1440で勝負賭けにいってリップに落ちて。ダメージも大きかったと思うけど、自分自身の気持ちどうだったんですか?
戸塚:1本目あそこでコケると思ってなかったし、2本目はいくしかないって。とにかく緊張感がすごくて。それまでのワールドカップとかの雰囲気とまるで違って。

Q: あの1440を仕掛けに行った時、飛んだ時にもうヤバいって思ったの?
はい。抜けた時にもうわかって、で回りきるのか、どうしよう!! って思って、とりあえず回し切るしかないってやった結果があれでした。

Q: ダメージは大きかったの?
心配されましたけど、打撲で済んだので大したことはなかったです。

TOTSUKA05Q: 平昌の結果が出てみて、振り返ってどうでしたか? その時の自分に足りなかったものって何だったと思います?
そもそも自分が下手だったんだと思うんです(笑)。まだ1440もやり始めたばかりで慣れていなかった。立つか、コケるかみたいな。それにメンタル的にも足りなかったんだと思うんです。

Q: そのあたり、今シーズンを迎えるまでに重点的に克服するよう努力したって感じですか?
そうですね。とにかく1440の練習をずっとやってきて、もうストレスなく打てるようになってきました。そこはだいぶ自信につながっていますし、大会でも少し余裕を持っていられる部分です。自分のやってきたことを出せれば成績が出せるって思うし、メンタル面も落ち着いていける感じはあります。勝てる自信も去年よりは全然あります。

Q: 今の1440のメイク率ってどのくらい?
ほとんど立ってますね。大会でもほとんどコケてない。前と比べてアプローチのラインどり、回転中の体の入れかたとかも変えて、かなり安定してきました。

Q: 今シーズンを迎えるにあたって自分はこう戦おうっていうのはあった、目標とか?
とにかく大会できれいに1440を決めたかった。平昌オリンピックの前にSNOWMASS(USA)で決めた1440ではグラブを入れることができていなかった。それは立ったのが嬉しかったんで、その時は良かったんですけど、やはりちゃんと決めたいって思ってきたんで。今はもっとスタイルを意識したいって思っています。

Q: そのスタイルっていう部分では、カッコいいって思う選手っている?
來夢くん(片山 來夢)とか、ダニー(ダニー・デイビス)とかですかね。ダニーのあの滑りは最強ですね。選手仲間で見ててもみんな「ヤバー」とか、楽しませてくれるダニーはいつも話題になります。

Q: 戸塚くんの周囲の環境の変化ってありますか、自分が集中できるような環境はできてきましたか?
はい、なんか安心してやれています。チームのスタッフや、SAJコーチの大輔くん(村上大輔)や令くん(青野 令)の存在は大きいです。テクニカルなことからメンタルな部分まで、彼らがいてくれるだけで心強いです。

TOSTUKA02Q: 今シーズン、最初のCOPPER MOUNTAIN(USA)では7位だったけど、その後中国大会以降は確実にトップ3に上がって、その後X-GAMEの銀メダル。さらにそこからスイスのWCの2位、最終的にはカナダ(カルガリー2/15)、USA(マンモス3/9)とWC2連勝、そして2年連続で種目別年間優勝って結果につながってきたと思うけど、X-GAMEの2位はかなり弾みになったのかな?
そうですね。大会の雰囲気も特別だったし、選手も結構揃っていましたし、自分の中でも一番デカい大会っていう意識もあった。ただ、そこで自分としてはビビって1440を打ててなかったのが悔やまれます。結果は残せたんですけど、そこは1440を出せてたらってとこありますね。

Q: だけど、そこからいい結果がどんどんつながっていくよね。何か好調を持続する術でも見つけられたの?
いやいや、とにかく何も考えずに集中。ただ目の前のことをやり遂げる、それだけを考えてやってきた感じです。何か考えるとそれがプレッシャーになったりするんで、何も考えないですね。

Q: 同じように今シーズンの大会でトップ競いをしてきた片山來夢くん、同じYONEXチームの平野流佳くんもライバルだよね、彼らとはどんな感じでやってるの?
いい感じでプッシュし合ってやってきてますね。それがいい刺激になってます。

Q: いつも使っているボードの調子、YONEXのREVの調子はどうですか?
いいですね。ボードはすごく自分に馴染んできてて、調子いいです。とくに変えて欲しいってとこもないですし、ベストな状態です。

Q: MADE IN JAPANのYONEXのボード、海外で注目されたりする?
前にダニーが気にしてましたね(笑)。注目はされてるんだろうなって思います。

Q: 今はこれから北京に向けて、どんどん実力上げていかなくちゃっていう時期だから、プライベートでスノーボードを楽しむ時間ってほとんどないのかな?
うーん、やっぱりほとんどないですね。でも、今シーズンは中国大会から帰ってきた時かな、北海道でパウダー滑りました。めちゃくちゃ良かった(笑)。すごくリフレッシュできました。

Q: 最後に北京に向けて、今後どんな部分を強化したいっていうのは自分の中でありますか?
バックサイド側の技の強化です。キャブとかで大技を入れていきたい。キャブの1440とかも北京までには完成させたい。あとはスタイルをもっと出して、そしてできれば新しい技、誰もやっていない技とか、自分が考えて、やれたらと思ってます。

Q: イメージはあるの?
あるんですけど、難しそう。

Q: 目標は北京での一番上?
そうですけど、ライバルは多いですね。身近にも來夢くんや、流佳もいるし、気を抜けない生活が続く感じです。とにかくひとつひとつやっていくつもりです。

X Games_2019_SuperPipe in Aspen, Colorado, USA
X Games_2019_SuperPipe in Aspen, Colorado, USA 写真提供:モンスターエナジー

スノーボーダー、そしてアスリートとしての戸塚優斗はまだまだ大きく進化を続けている。今シーズン、スタート台に立つ彼は昨シーズンを上回る自信を持って臨んでいたが、ハイレベルなテクニックのガチンコ勝負にある世界最高峰の舞台を制するには、圧倒的な結果をそこできちんと出し切ることが必須となる。今シーズン大きく飛躍した彼が、さらに来シーズンどこまで成長した姿で我々の前に現れるのか。
一見、世界でこんな凄いことをやってのけているとは思えない17歳の若さが際立つ風貌、だが、その内面には確実に1本1本の勝負を賭けたライディングに集中しきるというトップアスリートとしての強さが出来上がってきているように思う。今後の戸塚優斗にさらに期待したい。

戸塚優斗(YUTO TOTSUKA)
2001年9月27日生まれ 現在17歳 神奈川県出身

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