Hokkaido Powderbelt vol.2
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PowderBelt Hokkaido16年以上富良野に住み続けていた山内でさえ、このエリアのバックカントリーフィールドの懐は計り知れないという。続けて今回滑ったスポットについてこう教えてくれた。「あそこはとくに雪が溜まりやすいんですよ。上は アルパインすぎてほとんど行けないから、比較的ボトムが遊びやすくって。下の樹林帯で遊ぶのがシーズン頭っていう感じなんです。他にも雪が溜まる場所が何箇所かあって、風の向きや雪のコンディションにあわせて滑る斜面を探していく感じなんですよ。でも何より貴重でしたね、今回の晴れは」 富良野岳や十勝岳の絶景を眺めながらスプリットのハイクで約2時間ほど登りながら滑るラインを決めていき、三峰山の上部あたりからドロップした。 さすがに上部は風を受けアイシーだったが、山腹からは気持ち良い雪が待ち構えていた。この富良野・十勝 123081 in星野リゾート トマム・OMO7 旭川を繋ぐ北海道パウダーベルトトリップ123極上の雪と地形を滑り、この旅のハイライトとなった富良野・十勝エリアをメイクした帰り道HOKKAIDO POWDER BELT北海道パウダーベルトを巡る旅Vol.2中川伸也山内一志土井隼人エリアは地形のバリエーションも豊富な印象だったが、自身もよく足を運ぶという中川はエリアの特徴をこう話す。「あそこはアルパインなんだけど意外と雪付きも良くて、天気が良くて日射が当たる面も雪が付いていれば行けることが多い。南斜面がクラストしてたら北斜面を狙えば滑れるところがあるし、天気が悪くても下の森の中で遊べる。天気とか雪の雰囲気や日射の影響とか色々あるんだけど、それをジャッジしながら割と色々と滑る斜面を選べるんだよね」 その日のコンディションを見極めながら、ベストな斜面を探していく。やはりこのエリアを知り尽くした3人の感覚はさすがだと感じた。では実際、北海道パウダーベルトの代表的な山岳エリアである大雪山旭岳と富良野・十勝エリアの違いはどんな部分にあるのだろうか。続けて中川に聞いてみると。「ロープウェーがあるかないかが一番違う点だよね。全く歩きたくない人は大雪山旭岳に行くし、富良野・十勝は車を停めたらすぐに歩かなきゃいけないから。そういった意味ではバックカントリーに慣れた人が多いのかもしれない。人数の配分で言えば圧倒的に大雪山旭岳の方が多いよね。でも十勝エリアも1,200mくらいまで車で行けるから、それは他のエリアにはあんまりないと思う。今回うちらが滑り出したところで、たぶん標高1,700とか1,800くらいあるから」 こうして前回は見送りとなった、北海道パウダーベルトに欠かせない山岳エリアのひとつである富良野・十勝エリアのバックカントリーセッションを見事に当てた3人。いよいよ旅の最終日は、もうひとつの代表的な山岳エリア、北海道最高峰・大雪山旭岳を狙うことになった。ナチュラルバンクを見逃さず無駄のないターンで見事にその自然地形を捉える山内

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