LastResort063星野リゾート トマム・OMO7旭川を繋ぐ北海道パウダーベルトトリップシーズン後半に極上パウダーを狙う最後の砦この旅最後の目的地はパウダーベルトの中で最も北側に位置する黒岳。標高670mの層雲峡からロープウェイとペアリフトを利用して一気に七号目(1,520m)まで登ることができ、そこから先1,984mのピークへ歩いて登り、バックカントリーを楽しめる山岳エリアだ。黒岳は『歩く山』だと山内は言う。「バックカントリーもアクセスしやすいし、やっぱり北面で雪がいいっていうのが一番の魅力じゃないですかね。奥へ行き出したらすごいところもあるし、黒岳は歩く山って感じですよね。それに、いつも11月上旬頃にはスキー場がオープンするんですよ。途中リフトがクローズする期間があるんですけど、春のGWくらいまでやってるんですよね」 同じく中川も「北斜面だから雪が残りやすい」と黒岳の魅力を表現し、こう話し続けた。「でもこの時期になってくると斜面方位と斜度と標高と風向きとか色々考えないとダメで、朝パウダーでも午後からダメになってしまう場所もあるから、その辺がビタッと合えば良いパウダーに巡り会える。2月はいいパウダーが滑れるんだけど、寒いっていう…。それは旭岳も一緒かな。3月はパウダーを当てるには条件も大事になるんだけど、旭岳も黒岳も滑り手が増えてくるんだよね、このエリアは」 本州や道内からも滑り手たちはシーズン後半も良い雪をハントして、最終的にこの大雪エリアにたどり着くようだ。この旅を振り返れば、3月中旬という本州ではスプリングシーズン真っ只中というタイミングにも関わらず、しっかり極上パウダーを滑ることができた。もちろん北海道というアドバンテージと、このふたりのアテンドだからということもあるだろう。だが中川が言うように各所で名の知れた滑り手が集まっているようにも感じていた。その理由は一体なぜなのだろうか。「大雪エリアは、高緯度のところに標高の高い山があるからシーズンが長いのが特徴なんだ。3月中旬~下旬でもまだ本格的な雨のシーズンにはなっていなくて、この後も2~3回はパウダー滑れるんじゃないかな、ラストチャンスはまだあるはず。今回旅したパウダーベルトは、それぞれの場所で特徴があるよね。旭岳と黒岳がある大雪山エリアは、パウダーベルトの中でも標高が高くて、厳冬期は厳しいけど、こうやって春先でもパウダーが滑れたりする。旭川の周辺にはスキー場が何個もあって、そこから内陸の富良野も1時間ちょっとで行けるっていう距離感で、そこからさらに1時間ちょっとでリゾートのトマムがあるっていう。南北に長いんだけど、それぞれの場所に素晴らしい魅力がある。そんなエリアなんだと思う」 6日間に及んだ今回のパウダーベルトトリップ。このエリアの特徴を自分なりにどうまとめるべきか考え、すぐに答えが見つかった。それは『日本のシーズン後半に極上パウダーを味わえる最後の砦』なのだ、と。ぜひこの冬はパウダーベルトで、極上の雪を最高の仲間と狙ってみてはいかだろうか。黒岳の面ツルパウダーを旅のご褒美にライドする山内。「ありがとうございます~」きっとこう叫んでるはずだ北斜面の良い雪が残る黒岳。この山のベストラインをハントし見事に納めた中川のファナイルショット今回のタイミングはリフトがクローズしていたが、通常3月になればリフトも運行している黒岳スキー場黒岳を滑った後は温泉へ。このコンビネーションがスノーボードトリップの醍醐味だろう
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