メダリストとしての特別な経験を経て〜冨田せな・ショートインタビュー

今年の2月、北京オリンピック・ハーフパイプ種目にて銅メダル獲得という大いなる結果を残し、日本女子ハーフパイプ史上で初のメダリストとなった冨田せな。
高いジャンプとFS1080までを回すという高い技術力を武器に、日本のスノーボードシーンを大きく前進させる偉業を成し遂げてくれた。

そして彼女を力強くバックアップし続けているYONEXでは、1年の締めくくるにあたり、契約アスリート、チーム、社員とその年に目覚ましい活躍を見せた人材に社長賞が贈られている。
2022年のYONEX社長賞には冨田せなも選出され、12月12日に多くのYONEX社員が集まる授与式にて、社長賞が贈られた。

オリンピック直後には、石打丸山でおこなわれた凱旋報告にて、メダル獲得への道のりや念願のメダルを手にした感想をインタビューにて語ってもらったが、今回はここ最近の近況について聞いてみた。
つい先日、今シーズンは大会は回らずにスノーボードを楽しみ、次への充電期間とすることを宣言した彼女。今シーズンはどんな風に過ごそうと考えているのだろうか?


Sena Tomita INRTERVIEW

オリンピックが終わって周りの環境の変化とかどうでした?
そうですね、やはり最初は取材も多くて、テレビに出ることも多くて。帰国後もまだ冬のシーズン中だったんですが、オリンピック後は滑っていないことも結構多くて、いつもと全然違うシーズンでした。前回の平昌で入賞した時と比べても、今回メダルがとれたことでこんなにも違うんだなって。そういうことを経験して、メダルを獲得するということの意味、影響力をあらためて実感しました。
テレビ番組にもたくさん出て、こんなにも出れるなんて思っていなかったのでびっくりしました。

「スノーボードの楽しさを伝えていきたい」ということを帰国直後、話してくれましたが、その動きは実際にどんな風にできましたか?
本当はもっと子供たちと触れ合ったりして、直接スノーボードの楽しさを伝えるということもしていきたいとう気持ちもあって、まだそれは出来てはいないんですが、テレビなどメディアに出ている私を見てくれて、親御さんから子供にスノーボードをやらせてみたいというメッセージをSNSでいただいたり、そういう話を伺うこともあってとても嬉しかったです。
地元の小学校と中学校にも挨拶に行ったんです。実際に子供たちにメダルを見てもらったり、お話しをしたりして、触れ合う中で「私ももっと頑張る」って子供たちが自分の夢に向かって頑張る気持ちになってくれたり、そこでは自分も元気をもらえたように思います。

YONEXというブランドにサポートしてもらって、どんなことにメリットを感じていますか?
ナショナルチームに入った当初は未成年だったので、大会に出るには引率してくれる方が必要だったんです。でもYONEXチームに入ってからは、いつもYONEXの方がサポートに付いてくれて、それがあったから出場できたという大会もたくさんあるんです。
現場での道具のサポートももちろんしっかりしていただいて、トラブルがあればすぐに対処してもらえるので、私が困ったりすることがなく、大会に集中できる環境をつくってもらっています。
練習も常に道具は完璧な状態でやれているので、質の高い練習が出来ています。選手はそれぞれメーカーのサポートを受けていますが、ここまで気持ちが落ち着いていられる環境で大会にのぞめるのは、YONEXさんのサポートのおかげだと思っています。
道具だけでなく、私のメンタル部分までいろいろ支えてもらっているなと感じています。

最近はどんな風に過ごしているの?
練習もしつつですが、ゆっくりしていることも多いです。今シーズンは大会はまわらないので、いつもと違ったシーズンにして、次のシーズンにいいスタートするために準備するという感じです。スノーボードはいろんな表現の仕方があると思うので、私自身、もちろんスノーボードが大好きなので、いろんなことに挑戦したいと思っているんです。


今シーズンは、どんな風に滑っていたい?

最近はハイシーズンに国内で滑るってことも少なかったので、楽しみです。いろんなスキー場にも行きたいし、友達と滑ったり、自分の気分もリフレッシュしながら、いつもと違う私を見せれたらと思っています。コンペだけじゃないところとか。
本格的なバックカントリーとかも行ったことはないんですが、興味もあるし、いろんな方にも誘ってもらっているんで、タイミングが合えばぜひ行ってみたいと思っています。
まずは道具を揃えるところから始めなきゃなんですけど(笑)。


YONEXの社長賞受賞の感想は?

本当にここまでいろんなことがあったシーズンでした。
YONEXというチームの中でも評価していただいたことはとても嬉しいです。他のスポーツの方とはまだあまり交流はないんですが、みなさん素晴らしい結果を残されていて、そんな中で私ももっと頑張ろうという気持ちになりました。

12月17日(土)に行われる「スノーボード FIS ワールドカップ 2022/23ハーフパイプ カッパーマウンテン」のJ-SPORTSのゲスト解説も務めることが決まって、妹のるきも含めてJAPANチームがいい結果を出せるように応援したいと語る冨田せな。
スノーボードが大好きな気持ちを今シーズンは国内で大いに滑って楽しんで、次なるシーズンにまた世界のトップシーンに戻るための充電期間にするという。
「いろんなところを滑りたい」という語っていた彼女。もしかするとゲレンデで元気いっぱいの彼女滑りをあなた自身が目にすることも十分にありそうだ。