SEVEN SPRINGS REVOLUTION TOUR Report ~ behind the scene of estivo riding photobook vol.4~

きっかけはあるライダーの一言から始まったUSトリップ。
まさかそれを直接見る事になるとはその時は全く思いもしなかった。

 

滝沢光から直接3年程前に聞いていたことがあった。
「僕は日本のシーンだけではなく海外のシーンにも活躍を広げていきたい」と。彼はNew Zealandや他の海外で練習する事はあったが今まで海外の大会に参戦した事が無かったが、ライディングテクニックと若さから、「近いうちにその第一歩がやってくるだろう」とその時感じていたことを覚えている。

それから2年後の2014年の2月初旬、突如その機会を目にするチャンスが舞い込み、
彼と一緒にUS Revolution Tourの為にペンシルバニアに降り立った。
向かった先はSEVEN SPRINGS。

ホテルに到着するまでレンタカーを運転しながら「この雪が少ない状況でどのようなコンディションが待ち受けているのか?と考えていたが
実際に到着するまではわからず、二人でイメージの擦り合わせを行っていたが、実際に到着するとそこはさすがにUS OPENの予選会が行われるクオリティーだけあり、綺麗なスーパーパイプと12m,17mそして22m程のキッカーを下から確認する事ができた。

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7Springsは降雪量は少ないもののリゾートとしてコースやパイプ、パークのコンディションは良い
US REVOLUTIONの為キッカーは綺麗にメンテナンスされていたが天候が徐々に悪化

初日はレジストレーションを済ませ、軽く大会用のパークをチェック。
キッカーやアイテムは一つ一つが綺麗に整備され、大会当日はかなりのハイレベルな戦いを想像することができた。

しかし事前に何度もチェックしていた通り、午前中から天候が悪化し、なんと雪ではなく雨模様となり、さらに今後数日間は天候が不安定との事。
大会当日も荒れ模様が予想されていたが、そこは海外のライダーも横で言っていた「天候をコントロールできる奴なんか誰もいない」というように、「気にせず自分のできる事をやりきります」という光の言葉が耳に残った。

7SPRINGSは想像していた以上に素晴しいリゾートだった。
まだスノーボード、スキーを始めたばかりの子供達のレッスンの多さ、滑らずともカフェやレストランでゆっくりと読書をする年配の方々やスキー場上部にある別荘や宿泊可能なロッジ、大手企業でも対応できるカンファレンスセンターなど、施設とサービスの質をリアルに感じる事ができた。
そこはまさにUSの他のリゾート地をイメージさせるのに十分でもあり、その中にジャパンブランドのestivoウエアーを来た日本人が参戦しに来ている現状をとても嬉しく感じた瞬間でもあった。

 

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施設内にも様々なショップもあり雰囲気はかなり良い
リゾート内を回るバスも日本とは違いおしゃれだ
リゾート内を回るバスも日本とは違いおしゃれだ

翌日も強風と視界が見えないガスがスキー場を覆い、公開練習もできるかどうか微妙な状況の中で数時間ウェイティング。結果悪天候の為に公開練習がキャンセル。

USのライダーはもとより、世界中から集まったライダー達のハイレベルな公開練習を楽しみにしていたが、
この悪天候のなかでのビッグキッカーは危険極まり無いというジャッジの決断により、明日以降に持ち越す事となった。ここまで来て・・・と思ったがそれは誰でも同じ事。残る公開練習予定日は明日のみ。

光は7SPRINGSの人工雪の特殊な雪のフィーリングをチェックしつつ、中腹にある別のパークで足を慣らしていた。またスキー場のベース付近にはストリートを意識したアイテムがあり、日本ではなかなか常設してあるアイテムサイズではないが、ここUSではこのようなアイテムはけっして珍しいものではないそうだ。

様々なライダー達も撮影を行う中、光も足慣らし的に攻める。すぐにその場所のアイテムにトライし、メイクする姿を見ると若いだけではなく、自分の動きを理解してコントロールしている事を感じさせてくれる。
彼の特徴はフリーランも含め、クリーンで柔らかい滑りでバランス感覚に優れている。

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いざ公開練習、というところで天候不順でキャンセル

 

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公開練習がキャンセルされても他のパークエリアはOPEN。まずは足慣らし。

スキー場を後にし、それからストリートをチェックしたいという光の要望に応え、車で20分程のDonegalという小さな街でストリート。またしても雨が降る中撮影をこなす光。

不思議だったのがestivoのウエアーはUSでのライディング、ストリートシーンに非常にマッチしていた事だ。

それを伝えると光は「僕にとって格好良さというのは大事な部分ではあるし、estivoは毎年新しい提案をし続けていますが、estivoのウエアーは動きやすくスタイルが出しやすい、結果自分のオリジナリティを出しやすいという事が非常に気に入っているポイントです。
その場所、そのコンディションで一番動きやすいウエアーを着てスタイルが出せるという事は、結果的にそのシーンに一番マッチするということじゃないでしょうか?」という返事が返ってきた。

カメラを構えていた自分もその言葉が非常に納得できた。
色、柄、大きさだけで個性を表すことができるのは、素材やクオリティーの差はあれど、どのウエアーブランドでも同じ事だ。しかし動きやすく自分のスタイルが出しやすいウエアーを着る事により、結果自分にしか出せない個々のオリジナルティーを生み出すという事が
今回のUSでの撮影の中で、頭で理解できていなくともファインダー越しで理解できていたからだ。

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スキー場を後にしてもよいスポットを探してアプローチする滝沢光
2014-2015のestivoウエアはさらに動きやすくスタイルを表現しやすいとの事

そして公開練習最終日は曇り時々雪かつ強風というコンディションの中、数時間遅れて開始。スロープスタイルのコースは上部にアイテムエリア、下部に3連キッカーというレイアウト。
かなりの強風でエントリーのスピード確保に各ライダーがてこずる中、光も公開スタート。
上部アイテムを上手くメイクするが、下部のキッカーのエントリーが強風のためまともに滑る事すら難しい状況だった。他のライダーも同様になかなか1ランをまとめられずにいた。

キッカーに関しては強風の為、他のライダーと光を比べる事は難しかったが、上部アイテムの光のスタイルは他のライダーに比べても全く引けをとらないレベルだ。明日の本戦が非常に楽しみとなった1日であった。

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翌日の公開練習はパークがOPENするものの風が強過ぎて前ライダーが苦労していた

 

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パークディガーも「この天候だと厳しいね・・・」とのことだった
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ファーストアイテムを当て込む滝沢光。
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本戦に向けてさらにコンディションを整えて明日に挑む

 

そしてREVOLUTION TOUR in 7SPRINGSの本戦の日がやってきた。
早朝に起きて空を眺めると昨晩から降った雪が30cm程道路につもり、更に降り続けている。
用意をし、車に乗り込み7SPRINGSに到着するもやはりガス。しかも雨。

カンファレンスルームがライダーミーティング場所となっていたのでそこで開催可能ギリギリの11時までウェイティング。光はそこで海外のライダーとのコミュニケーションをとりつつ、すぐにでも滑れるようにコンディションを整えていた。

そして決断の11時に運営事務局が本番前の公開のスタートの告知。

ライダー達が一斉に慌ただしく動き出す中、急いでスロープスタイルのコースへ。
しかしながらキッカーの横にいてもライダーが滑ってくる事を確認する事すらできないガスが再度立ちこめ、
ライダー達は数本滑ったあと、さらに20分程ウェイティング。

結果、なんと本戦はキャンセル、という結果となった。

 

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本戦前にむけて気合いが入る
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しかしご覧のとおりのガスで結局大会自体がキャンセルとなった

 

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「それでもいい勉強になりました。次に向かいます」と目標がはっきりした滝沢光

しかしながら今回の7SPRINGSのREVOLUTION TOURに参加した滝沢光にとっては大事な経験となったようだ。

「海外のライダー達とのリアルなコンペティションに参加し、日本のレベルとの違い、参戦する為の意識や当日の流れの把握、どれをとっても良い勉強になりました。これで次への海外での参戦もイメージしやすくなった事自体がとても良い収穫だったと思います。
今回の参戦であらためて感じました。やっぱり僕は海外で挑戦したいです。そして着る事によって自分自身を表現させてくれ、今回の様なチャンスをくれるestivoに非常に感謝してます。」

とはっきりと伝えてきた滝沢光。

たった4日程の滞在で明確に見えてきた次への挑戦。
これからさらに面白く、期待できるライダーとして成長し続けてくれる事に違いない。

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今回のUS Trip, REVOLUTION TOURの詳細はestivo Riding Photobook Vol.4として
たくさんの写真と2014-2015のestivoウエアとともに見る事ができます。

estivo Riding Photobook Vol.4

Text and edit by
Credit  Kazu(12)

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