PSA PGS in Sugadaira Pinebeak with KSBA

15.16 PSA ASIA Snowboard Pro Tour round 7

2016/2/18 PSA ASIA プロツアー第7戦。

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雪不足の影響で日本のウインターシーズンは重苦しい雰囲気につつまれて到来。

そんな中、年明け早々に朗報が伝わってきた。

昨年、ダイナランドGSに出場したJ.J.アンダーソンに続き、同じくオリンピックメダリストのベンジャミン・カール選手の大会参加表明だった。

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続いて昨季、ワールドカップを制したクラウディア・リーグラー選手、そしてベンジャミン・カル選手以前より参加を検討、調整を行っていた、我らが竹内智香選手の正式参加も決まり超豪華な布陣でRound 7 PGS in Sugadaira pinebeak with KSBA を迎える。

次の日に地区大会も控えており、PSAメンバーは元よりアマチュア選手も世界のトップ選手の滑りを一目見ようと早朝より異様な興奮に包まれ大会が始まる。

これから世界を目指す若手の選手たちにとっては願ってもない夢のステージが幕明けした。

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菅平パインビーク、大松山グランプリコース。

全長500m、標高差147m、最大斜度25°。こちらもW杯級にアイシーにパックされたハードバーン。

僅かな気の緩みをも見逃さず選手たちを落とし込めようと待ち構える。

大役のセッターを務めるのはオリンピックの大舞台を経験した先駆者、鶴岡剣太郎プロ、酸いも甘いも知り尽くした巧みな鶴岡氏が描き出すセットは、まず国内の選手が実践では体験したこともないショートインターバルで振り幅の大きいワールドセット。

雪面と斜度を考慮して自然にセットしたという妙理のあるセットは予測を超えたドラマチックな展開を産み落とすことになる。

まずはインスペクション。

僅かに限られた時間内でこの後に滑る左右、レッド、ブルーの各コースを見極めなければならない。

DUゲート直下ニアに配置された1stゲートから直ぐに急な斜面を迎えトウサイドの2ndゲートを迎えると一気に右にふりこまれた3rdゲートがあたかも右真横に伺える。既に物理に反したゲートの配置と、まず掘れることは想像できない硬くしまったバーンが選手の自信を削いでいく。

更に4、5、6と容赦のない振り幅が続き、経験値を持ち合わせない選手の不安を掻き立てグランプリコースの最大斜度へとひきこまれる。

特にレッドコースはヒールサイド側に対し徐々に垂れがキツくなりエッジがはずれれば一発で終了をま逃れることはできないであろう。

ヒールサイドのバナナをスルーすると斜度も緩み重力との闘いからは開放されるが、そこそこの振り幅とアイシーな雪面は以前としてかわらない。緩斜面からロールを挿み、面の変わったゴールまではトウサイドへの垂れに速度を預けフィニッシュ。

満足にゴールを着れるか否かは選手自身の日頃の取り組みを問うものとなる。

女子予選1本目。

直前6日前によませ温泉スキー場で行われた Round 5 、7th CSBA on SNOWFESTAのポイントも累計され、ポイント順でのスタート。

まずは前回1、2の志鷹、丸山がスタート。垂れのキツいレッドコースで志鷹、41.95、ブルーコース丸山、41.64と凌ぎを削る。

続く椎葉が42秒台、前回3位の石中は44秒台で僅かに出遅れる。吉井もかろうじて42秒台にいれると、三木がレッドコースで志鷹を僅かに上まり41.92と好ポジション、続いて松沢も42秒と国内プロの相場を展開したところでクラウディア・リーグラーのスタート。

流石、世界を制した目を見張る華麗な滑りでグランプリコースをさもなく駆け下りる!隣を走るアマチュアの選手をあっというまに置き去りにし遥かに引き離しゴールに向かう。明らかな技術さを魅せつけ38.28と志鷹、丸山を相手にはしていない。

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さらにはアマチュアの滑走を待ち2004年以来12年ぶりにツアー参戦となった竹内智香がアマチュア登録での最後尾から単走スタート。当然ながらもはやクラウディア・リーグラーとのタイム差が気にかかるところ。

なんの躊躇も見受けることもなく吸い込まれるようにゲートを潜り抜ける。コンパクトなエッジングとタイトで正確なラインでゲートを処理していく。

予選ということもあり流しているように見受けられるが確かに速い。

世界の滑りを観客の目に焼き付けながらフィニッシュを切ると、クラウディアのタイムを更に上回る38.25で1本目を終えた。

男子もトップランカーよりスタート。こちらも前回1、2のレッドコース吉岡、ブルーコース小林が確実に斜面を攻略、的確な処理でそれぞれ、36.69、36.79と互角のタイムで後続を牽制し基準値を示す。

続く河島、今が38秒台、後藤、相沢は40秒台と相手と合わせたかのような僅差でゴールをきりタイムを刻む。

5組目から成田が39秒台、6組目、宮尾が38.11の好タイム、黒木も39秒で上位を伺う。男子のひとつの目安は40秒の壁を割り込むところか。

淡々と40秒台で選手がゴールを切る中、12組目より晃平がスタートし併走者を引き離しにかかる。前回の憂さを晴らすが如く快調のランでフィニッシュ。

同じレッドコースを走った吉岡を大きく上回る35.64で会場を沸かせる。

プロの最後尾にはメダリストのベンジャミン・カール選手が静かに待ち構え、観客の期待は現在リーダーの晃平とのタイム差。

世界を制したトップライダーがどのようにゲートを潜り抜けてくるのか興味が高まる。

光栄にも都合上、併走できるアマチュア選手が羨ましいのは自分だけだろうか?スタートをきると当然、相手選手をグングン引き離す。

こちらも流しているように見えるがボードの動きと捌き様は異次元の世界だ。氷のグランプリコースを何事もないように駆け下りる。

あっと言う間の一幕目のステージは、晃平を上回り35.42の1番時計でたやすく指定席に座った。

予選1本目のオーダーは、女子がレッドコース38.25のトップタイムで竹内、続いてクラウディアが僅差で38.28、離れて三木、志鷹が41.92、41.95、42秒台に椎葉、吉井と続く。ブルーコースは41.69の丸山、42秒台の松沢と接敵。

男子のオーダーは、レッドコース、ベンジャミンの35.42、僅差で追う晃平35.64、続く吉岡の36.69、38秒台に河島、39秒台の成田、40秒の後藤、杉本、翠川。

ブルーコースは36.79の小林を先頭に38秒の宮尾、今、39秒台の黒木、こーた。40秒台にひしめき合う若林、相沢、玉木、Jill、向川とKOの座を狙う。

予選2本目、コースを入れ替えトップタイムの選手から続々とスタート。1本目に配置されたタイムの相関図どおりにタイムを刻む。

エッジを受け付けないハードパックのグランプリコースは1本目同様のクリーンなコンディションをキープしたまま選手を迎える。

竹内が1組目から38.99と1本目同等のタイムでそつなくクリア。同じく丸山も竹内に大きく離されるも同様に41.71とポジションを維持。

2組目クラウディアも39.00と竹内に僅差で射程圏をキープ、志鷹も41.67で丸山の直ぐ後ろにつける。

三木、椎葉はタイムが伸ばし切れず後退するも後続の追従も届かずKOの座席をキープする。

松沢がタイムを伸ばし5番手に浮上。石中は辛くも躱しきり8番手に生き残った。

男子は1組目、ベンジャミン、小林からスタート。

暖気が終わったかベンジャミンが始動する。小林を引き離し34.97と未知の領域へ。

追いかけた小林も37.59とまずまずの好タイム。

2組目の晃平が36.19とベンジャミンに食い下がる。3組目吉岡も36.27と座席を譲らず。

3組目の今、4組目以下、河島、黒木、成田、こーた、後藤、杉本、若林、向川も1本目同様のタイムでポジションをキープしてKOの座席を確保した。

KOの男子オーダーは

1 ベンジャミン vs 16 佐藤
9 こーた vs 8 黒木
12 杉本 vs 5 今
13 若林 vs 4 小林
14 戸田 vs 2 吉岡
11 後藤 vs 6 河島
10 成田 vs 7 宮尾
15 向川 vs 2 晃平

KOの女子オーダーは

8 石中 vs 1 竹内
5 松沢 vs 4 志鷹
6 三木 vs 3 丸山
7 椎葉 vs 2 クラウディア

KO 1/4 Round

接戦の中間位を除き順当にトップ選手が勝ち上がる。

危なげなくアマチュアを倒したベンジャミンに、初KOの黒木を倒したこーたが挑むも世界のベンジャミンにすれば全くあいてにはならなかった。

下位の杉本、若林を躱した、4 小林、5 今は1本目僅差のディファレンス今0.16を取り返すことなく小林が今を下す。

こちらもアマチュアを軽くいなした吉岡と、下位の後藤をしっかりと制した河島の対決であったが、1本目、ペナルティタイムにほぼ近いビハインドを背負った河島を確実に仕留める。

下位の向川を危なげなく倒した晃平と、1本目の泥試合の僅差から2本目をしっかり纏めた成田の対決は、1本目、晃平のミスをつき0.34に迫った成田であったが、2本目は晃平がしっかりと滑りきり勝ち上がる。

Semi Final Round

女子は上位4名が順当に勝ち上がり。しかしながら予選のタイムが指し示すよう、竹内、クラウディア両選手には太刀打ち出来ず。
志鷹、丸山の健闘も虚しく順位決定戦へ。

世界との距離を改めて認識することとなった。

男子は予選4番手の小林が一人旅を興づるベンジャミンに挑むも及ばず敗退。

一方、1本目、0.79と予選どおり吉岡を引き離しにかかった晃平ではあったが、数々の逆転劇を演ずる吉岡が2本目に入って猛チャージを仕掛ける。

スタートゲートをドンピシャにあわせ距離をはなさず虎視眈々と晃平を追う吉岡、前を行く晃平も相手が吉岡とあらば決して気を緩めないはず。

お互い下位を相手に前のラウンドまでは流して走っていたかもしれないが、ここからは真剣勝負だ。

お互い会心の滑りで1歩も引かず、一定の間隔を空け先に先行する晃平がバナナをスルーし緩斜面に向かう。

誰もが晃平の勝利を確信してゴールで待ち受ける。と思った瞬間、晃平も勝ちを確信したか?晃平の攻めが緩んだように見える。

後方からスパートをかけ速度をのせてきた吉岡が凄まじい勢いで晃平に迫り来る!あっという間に緩斜面で晃平を捉え、ゴールで待つ観客の前にほぼ同時に現れた2人の選手!スピードの勝る吉岡がゴール手前で晃平を躱しその儘フィニッシュした。

どよめく観客の期待はベンジャミンとの決勝でのプロローグであった。

Final Round

順位決定戦では予選順位どおり、晃平が小林を、志鷹が丸山を下し、いよいよ決勝、Fainalを迎える。

女子ではW杯さながら、竹内vsクラウディアの対決。間近では滅多に観ることができない対戦を生で観戦できるとは何とも贅沢なことであろう。

1本目に1.11のアドバンテージを保ち安定した滑りでクラウディアを制して優勝。

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2004年のSPEED GAMES in 白山瀬女以来の優勝となった。

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優勝 竹内 智香

2位 クラウディア・リーグラー

3位 志鷹 あかり

 

男子は最後まで見逃せない。

Semi Fainal の2本目で逆転勝ちを奪った吉岡、この男は本気で何かをしでかしてくれる。

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まずは1本目、ゲートが開くとたちまちベンジャミンが引き離しにかかる。

意地でもここでは負けられないだろう。

1旗門ごとに吉岡との距離を遠ざけ追従を許さない。

急斜面を卓越した技術で駆け下りる。

さすがはワールドの猛者、コース中盤のこすは緩斜面で勝利を疑う余地はないと思った直後、今まではオートマチックにゲートに向かって走り続けていたボードが一瞬動きを止め僅かにテールが流れスピードを失う。

若干離され目スタート。

予選タイムからみれば僅かなハンディは十分覆せるであろうがツキを備えた吉岡にもまだまだ期待できる。

僅か一瞬の差で吉岡のスタートゲートが開く。

間髪いれずにベンジャミンもスタート。

僅かの差が詰まりそうそうにベンジャミンが吉岡の前にでて先ほどの雪辱を晴らしにかかる。

今大会初めてみるベンジャミンのフルアタックはフルオープンのワールドセットをドストレートに攻め立てありえないラインでゲートをクリアしていく。

急斜面を駆け下り速さは明確、1本目のミスはあったにせよ、やはりベンジャミンが勝つのかと思った次の刹那、またしても緩斜面で板が流れる。

一本目のミスよりも明らかに痛い痛恨のミス。万事休す、失速したボードは速度を取り戻すことはなかった。

1本目同様にベンジャミンを躱しゴールに現れた吉岡、ゴール、スタート、コースサイドと会場全体が吉岡の劇的な勝利に湧いた。

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先週に引き続き今季2勝目。

出場したPSA ASIAプロツアーでは6連勝中。

昨年のJ.J.アンダーソン撃破についで今回も見事にベンジャミン・カールも打ち取り、国内においてはメダリストをも相手に無敵の吉岡。

この男の勢いはまだまだ続くであろう。

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優勝 吉岡  健太郎

2位 ベンジャミン・カール

3位 晃平

4位  小林  学

5位  今  拓洋

6位  河島  広輔

今大会は竹内選手をはじめ海外で活躍するトップ選手を迎え、話題も豊富で大変盛り上がりを見せた素晴らしい大会となりました。

W杯級の素晴らしいバーンを提供していただいたマックアース・菅平パインビークスキー場様、運営に尽力をそそいでいただいたKSBA様に感謝を申し上げます。

次回は岐阜奥美濃に舞台を変えダイナランドスキー場にて、Round 9 PSA DU in Dynaland が開催されます。

今後もPSA ASIA ALPINE Pro Tour にご期待下さい!

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20th Anniversary PSA ASIA Snowboard Pro Tour Page プロスノーボーダー約340名を擁し、日本最大のスノーボードプロツアーを20年に渡り行っています。速く、高く、美しく…今シーズンもプロフェッショナルな滑り、大会情報を皆さまにお届けします! Official Web