Go My Way. – 角野友基インタビュー <前編> -「オリンピックに出て成績を残すのは、自分の中でのケジメだと思っている」

Photo: Peter Morning / Red Bull Content Pool

これまで「AIR+STYLE」「X GAMES」「US OPEN」で優勝するなど、日本のスノーボード史に幾度もその名を刻んできた角野友基。スロープスタイルがオリンピック種目として初めて採用された2014年のソチ五輪に参戦するも8位に終わり、その4年後の平昌五輪には残念ながら出場すら叶わなかった。だが、日進月歩で進化するスノーボードのトリックレベルを牽引するライダーのひとりとして、すでに世界中から注目を集めている存在であることは間違いのない事実だ。まだ次期オリンピックについて話をするのは少し早いのかもしれない。だが、再び日本のスノーボードの歴史に新たな1ページを加えるべく、彼の挑戦はすでに始まっている。その新たなる決意などに迫るべく、シーズンイン直前の彼に話を聞いた。
Edit+Text: HaruAki

*こちらの記事は、「STAY HOME」スペシャルコンテンツとして、FREERUN本誌 2020年1月号(2019年12月27発売)掲載インタビュー記事を特別公開しています。


O L Y M P I C  G A M E S

「自分がスノーボーダーとして前に進むためには避けられない通過点やと思っている」

-平昌五輪は観ていた?
はい。家で観てましたよ。

-外から観て感じたことってあった?
オリンピックって出るだけじゃ意味がないんだなと思いました。せっかくスノーボードがテレビなどの一般メディアに取り上げられるんだから、魅せようと思ったらいくらでも方法はあるのに…… 自分のために滑ってたライダーが多かったから。今、大事なのってスノーボードを知らない人に、もっと知ってもらうことやと思うんですよ。そもそも興味がないと深く知ろうとしないじゃないですか?スノーボードってホンマにカッコいいものやと思ってるし、オレにとってはスポーツじゃなくて生活の一部で……言っちゃえば息をしてるのと同じ感覚なんですよね。そういったスノーボードの魅力や奥深さを知ってもらえるように動きたいって改めて思いました。

-もし金メダルを獲っていたら何か変わってたかもね。
オレはそれがしたいからオリンピックに出たいんですよね。別に自分の名誉のためだけなら、その道は選ばないと思うし…。かなりしんどい道のりなんで足は突っ込まないんじゃないかって。でも、オレのやりたいことに繋がるところもあるから我慢できるっていうか……モチベーションに変えられるくらいのものがあるんですよね。

-そもそもユウキにとってオリンピックってどんな存在なの?
4年に1回しかないし、スノーボードを知らない人が一番観てくれる大会ではあると思います。だから、アスリートとしてはそこに照準を合わせて成績を残すのが一番なんだろうなって。でも、オレはアスリートっていうよりも純粋にスノーボーダーでいたい。オリンピックだけに集中しすぎず、いろんなことにトライしたいんですよね。

-次のオリンピックはどうするの?
目指しますよ。今シーズンは成績を残してナショナルチームに入れるように頑張ります。だからこそ、今シーズンのX GAMESやDEWTOUR、US OPENはとても大事なんです。

-目指そうと思ったキッカケは?
自分のなかで一度やるって決めたことは最後までやらないとイヤやから。オレはオリンピックに関することはまだ何ひとつ目標を達成できてない。それに自分がスノーボーダーとして前に進むためには避けられない通過点やと思ってて。うーん……ケジメっすね。

-ケジメなんだ。
はい。オレ、スノーボードの技術もメンタルも、20歳くらいのときに一時期ガタンと落ちたんですよ。でも、今はやるべきことをやって前を向けるようになって。だからこそ、まずはケジメをつけないと! それに以前はその辺のライダーと一緒にしてほしいっていう気持ちがありました。特別扱いしないでって。でも、周りからするとオレは特別な存在になってたらしくて……。今はオレがコンテストシーンのトップにいて、いろいろ言い続けたり魅せ続けないと、オリンピックを目指してるキッズたちがワケのわからん方向に進んでしまうんじゃないかなとも考えてます。

-……と言うと?
オリンピックに出ることだけを夢にしたり、そこを最終目的地点にしてスノーボードをするのはモッタイナイってこと。せっかくスノーボードに出会って好きになったのに、他のスポーツと同じことをしてて満足なん?と思っちゃうんですよね。こんなに何をやっても自由で、他の人と違っていてよくて、自分自身を表現できるものってオレは他に知らないから。それやのに「スノーボード=トリック」で、大会に出て成績を残すことがすべてだと思っているキッズが多い気がするんです。オレはオリンピックに出て活躍したうえで、あくまでこれは通過点で、これがすべてやと思わないほうがいいって伝えたい。オレらはアスリートじゃなく、スノーボーダーなんやからって。

-日本のキッズについて何か思うことはある?
ストイックっていうか……頭の固い親が多い気がしますね。「こういう人になりなさい」って子供に押しつけたり……。でも、世界で誰よりも大事な息子や娘なんだから、その子にしか持ってないものをもっと引き出してあげようよって思うんです。「オリンピックを目指すならジャンプ練習施設でトリックの練習をしなさい」って塾みたいじゃないですか? できなかったら居残りとか……それってスノーボードを嫌いにさせるだけやんって。親からしたら、ただ遊んでるだけやったらお金も時間もムダって感じかもしれないけど、子供にとっては何も考えずに自由に遊んでる時間はすごく大事。スノーボードを心から好きになっていくための大切な時間やったり経験やったりするので。「スノーボード=競技」じゃない。一本のボードを使った遊びやから。「これがカッコいいと思うから、僕はこれしかしない」でいいと思う。オレは、自分が持ってないものを持ってる人に対して、本当にカッコいいなって思うんですよね。……って偉そうなことを言ってるけど、オレも前まではトリックができてナンボって考えでした。でも、スノーボードと向き合いすぎてターンがヤバい領域に達してる人、ストリートばかりに打ち込む人、パウダーにこだわる人……スノーボードのカタチは人それぞれでいいし、それぞれがカッコいいと思う。今、オレはたまたまコンペティションに集中しているけど、この先はやりたいことがたくさんあるし、そのどれもが正解で不正解はないと思ってます。ただ、ひとつだけ不正解やなって思うのは、オリンピックが終着点になること。だから、オレはそうじゃないってことを伝えられる存在になりたいんです。

-その舞台で活躍するためにフィジカル的なトレーニングもしてるの?
それはもはや日課ですね。スノーボードをしてるときにしんどいって感じるのが一番しんどいから。自分が好きなスノーボードをしてるのに、しんどいって思ってるみたいな……。それだけは絶対にイヤですね。

-ちょっと失礼な言い方だけど、以前よりしっかりした印象を受けたんだけど……。
それは、いつも近くにいてオレに寄り添って支えてくれている人たちのおかげだと思います。昔は「オレのために何でそこまで?」って理解できなかったけど、今ならわかります。それが愛なんだって。こんなオレをサポートしてくれるには絶対に理由があるはずやから。その気持ちを真摯に受け止めて、全力で応えていこうと決意したからかもしれないですね。

巨大ヒップにフルスピードで突っ込み、そして重力から開放され絶対時間に入った角野による自己表現がこれだ。アメリカ・マンモスマウンテンで開催されたRED BULL RECHARGED 2019にて Photo T-BIRD


A T T A C H M E N T  TO  T H E  C O M P E T I T I O N

「負けず嫌いじゃなくて、勝ち好きって感じなんでしょうね」

-スノーボードにはいろんな表現方法があるけど、ユウキが大会にこだわる理由って何?
そもそもオレは大会が好きで……いや、ぶっちゃけ一番になるのが大好きなんやと思う。今までやってきたことが間違ってなかったと感じられるし! あと、何よりも一番になったときの、あの感覚が本当に最高で。普段の生活ではあまり感じられないですからね。言っちゃえば、オレは表彰台の一番上を常に求めているのかもしれない(笑)。今、思い出しただけでも鳥肌が立ってきた(笑)。それくらいヤバいし、その一番上からの景色を見たいから大会に出ているんやと思います。

-これまでで鳥肌がもっとも立った大会は?
そういった瞬間って頭が真っ白で、あまり覚えてないんですけど、感覚的に一番すごかったのは2015年のUS OPENのスロープスタイルかな。あのときは「絶対にやってやる」っていう気持ちしかなかったし、「ケガするかも?」っていう恐怖もまったくなかった。そして本当に上から下までのランの内容をまったく覚えてなくて……。最後のジャンプで着地したあとに自然と両手を空に向かって突き上げたけど、何をしたかも覚えてない。そのまま下に着いたら、そこで待ち構えてたライダーたちが胴上げしてくれて。もうワケがわからなかったですね。でも、リプレイを見たら、「オレ、ヤバいことやったやん」って。記憶のないところから徐々に現実を理解していく……夢から覚めて、その夢ってどんなんやったっけって思い出してるような感覚って言えばいいんですかね? でも、いざ現実を受け止めた瞬間に、何か頭の中で出るものがあって……それを今も求めてるんだと思います。

2015年のBURTON US OPENにて、ゾーンに入った角野が繰り出したバックサイド・トリプルコーク1620からスイッチバックサイド・トリプルコーク1620へと繋いだコンボは、この大会以降に誰も成功してはいない Photo: Chris Wellhausen
ウルトラコンボをメイクした直後に出場ライダーたちから胴上げされる Photo: Burton / Red Bull Content Pool

-ゾーンに入っていたってこと?
そうやと思います。ゾーンに入ったら記憶がないって言いますもんね。自分でわかってる範囲で、これまで4回だけ入ったことあるんですよ。でも、どうやったらそのスイッチが入るのかまではわかっていなくて(苦笑)。うーん、覚悟? それとも極限まで感覚が研ぎ澄まされての覚醒? どちらにしろ、そういったときは記憶がないんです。初めてが14歳でTHE SLOPEを優勝したとき。その次が(岡本)ケイジくんがケガした直後のAIR+STYLE。そして、さっき話をしたUS OPENと、その翌年にAIR+STYLEのロサンゼルス大会で2連覇したとき。そうそう、その翌週にノルウェーでX GAMESがあって、そこでも優勝したんですけど、そのときは意外とあっさり勝ったんです。で、「え? こんなんで勝てるんや」みたいに天狗になっちゃって……。トップになりたいっていう気持ちを止めちゃったんでしょうね。でも、その時点でオレの負けでした。そこからの数年間はオレにとって真っ暗な道を歩いてるみたいでしたから。スノーボードは楽しいけど、大会は勝てる気がしないっていうか……大会に挑んじゃいけないっていう状態にまでなってましたね。

16歳の角野少年がバックサイド・トリプルコーク1440で、日本人として初めてAIR+STYLEの頂点に立った。日本のスノーボードの歴史が変わった瞬間だ。2012年、中国・北京にて Photo: Chris Wellhausen

-新たに光が見えたキッカケは?
オレの周りに道を照らしてくれる人がいっぱいいてくれたからやと思います。そういった人たちを見ていると、オレも甘ったれてるわけにはいかない。オレはスノーボードでその人たちのことを照らさないといけないと思ったんです。互いに照らし合って、互いを高めていかないとって。ちょっと傲慢な言い方かもしれないけど、トップに立ち続けるのってホンマに難しくて……追いかけられるよりも追いかける立場のほうがラクじゃないですか?でも、それじゃダメで……オレは自分で道を掻き分けて進んでいかないといけない。むしろ、今はオレがやらないと誰がやるんだろうって思ってます。いや、これはライダー全員がそう思ってないといけない気がする。「オレがやらないと、この業界に先はない」って。だって、スノーボードのカッコよさを魅せられるのって、結局はライダーやから。このままだと将来はスノーボーダーがいなくなって、アスリートがスノーボードをしてるだけ……みたいになっちゃうかもしれない。それだけは避けたいですからね。

-今はケジメをつけるためにも、まずは大会に集中ってこと?
そうですね。それに単純に自分が大会でどこまで行けるのかも知りたいから。なので、自分でもう限界がきたと思うまでは、トップクラスのライダーが集う大会の最先端のシーンに身を置いておきたい。フィジカル的にもメンタル的にも大会に出るのが恥ずかしいと思うまで、オレはしがみついていきたいです。誰かにダサいって言われようとも、やっぱりオレは大会が好きやし、そこで一番になるのが好きやから。負けず嫌いじゃなくて、勝ち好きって感じなんでしょうね(笑)。

-ちなみに昨シーズンの成績は?
昨シーズンは、1月末のX GAMESアスペン大会の公開練習で左の肩鎖関節を脱臼しちゃって。そこから1ヶ月かけて治して、COWDAYで復活して、その次の週からUS OPENに行ったけど予選落ち……。その後のノルウェーでのX GAMESのビッグエアで3位って感じですかね。ただ、ケガするまでが調子よすぎて、負ける気なんて一切しなかったんです。アスペンの公開練習でも何を繰り出してもコケないから、「絶対に勝てるわ。もうスノーボード最高やん」って気持ちが変にアガりすぎていて。それを冷静に抑える自分がいなかった。人生で初の経験でした。そんなのでケガしたのは……。テンションがアガりすぎて自分をコントロールできないと、こうなるんだと初めて思い知らされました。

ケガから復帰して2戦目となったX GAMESノルウェー大会で表彰台に立った Photo: Kyle Meyr / Red Bull Content Pool


C U R R E N T  C O N T E S T  S C E N E

「大会に出ていないと、その進化から置いていかれるっていう感覚がある」

-コンテストにおいて、日本と世界の実力の差は感じる?
オレはあまり感じないけど、他のライダーに関しては感じるかもしれない。それこそ、トリックだけ上手いのか、スノーボードが上手いのか。そこに差がある気はします。

-海外で上手いって思うライダーはいる?
いっぱいいますよ。レッド(ジェラード)もマーク(マクモリス)も、みんな上手い。それぞれスタイルがあるライダーばかりですしね。あっ、スターレ(サンドベック)も好きやし……もう言い出したらキリがないです(笑)。

-好きっていうのに基準はあるの?
自分のスタイルを持ってるヤツですね。滑りを見てアイツだってわかるのが好きやから。遠くから見てパッとわかるような……例えばマークなんて遠くからでも、「あ、あれはマークや」って思える。そういったライダーが好きですね。

遠くから見て認識できるライダーが好きらしいが、この影だけでも角野とわかるハンドプラント Photo: Blotto

-日本人ライダーにも大塚 健や相澤 亮のように世界で注目されているライダーが出てきたけど、焦りはあったりするのかな?
焦りを感じてないっていったらウソになるけど、オレのほうが上手いの知ってるしなぁ(笑)。トリックひとつを取り上げるんじゃなくて、スノーボードっていう大きなくくりで考えたら、オレのほうが上手いと思ってます。だから、ひとつのトリックで負けてても何とも思わないんですよね。

-それで大会は勝てるもの?
勝てるというか……勝つんですよ。タケルがオレの覚えていないトリックを持っていたとしても、逆にアイツができないトリックをオレはいっぱい持ってるんで。ただ、ポテンシャルは怖いなって思う。「ちょっとやってみる」と言ってトライした1発目でバチンと立ったりしますからね。やっぱり若さって怖いなって(笑)。ただ、焦りよりも素直に頑張ってほしいって思う。それぞれのスノーボード人生を自分で豊かにしてほしいから。あと、そもそも今の大会に出場するライダーのレベルって、そこまで技術的には誰も変わらないと思っていて。そのときに調子がよかったら勝てるし、調子が悪かったら負けるだけ。じゃ、どこで勝敗がつくのかっていうと、その日に一番乗ってるヤツ、自分が上手いって思ってるヤツが一番いい滑りをして勝つと思うんですよね。

-それはメンタルってこと?
うん、きっとメンタルが滑りに出るんだと思う。

-今後、ビッグエアのコンテストで勝つためには、どんな技が必要になってくると思う?
トリック的にはもう限界が近いかな? クワッドコークの1980が出るか出ないかってところだと思います。オレ自身、もしかしたらクワッドコークの1980をやらないで競技人生を終えるかもしれないし……。ラッキーやったら立てるかな?くらいのトリックなんで。強運か、不運か。ゾーンに入るか、入らないか。そのくらいのレベルやと思うし、けっこうギャンブルになっちゃいますよね。

-そういえば、昔から大会でしか上手くならないってことを言ってたよね。その理由は?
X GAMESのアスペン大会をはじめ、そこに設置されているキッカーのサイズやクオリティが高くて、そこでしか出せない技があるんですよね。それに大会のときが一番集中するから、そこで進化できるんです。あと、大会に出ていないと、その進化から置いていかれるっていう感覚もあるんですよね。

-でも、そんな大きなサイズのキッカーで高難度トリックにトライする前には練習が必要だと思うんだけど……。
どうやって練習してるんですかね? オレが聞きたいくらいです(笑)。

-トリックの練習っていうよりも、身体の磨き上げのほうが大事ってことなのかな?
たぶん……そうですね。身体が自分の思ったように動かせるようにしておくしかないかもしれない。あとはゾーンに入るか入らないかじゃないですか?

-スロープスタイルはどうだろう?
1260と1440がジャンプのルーティンに組み込まれるのが普通になってきているから、レールで差をつけたりR系のアイテムがあれば入ったり、そういった小さな加点の積み重ねが大事になってくると思います。オーバーオールでポイントを伸ばすみたいな感じですね。すでにジャンプのトリックはレベル的にけっこういいところまでいってると思うし、スロープで1620が出たらすごいってなるから。なので、上から下までの繋ぎでいかにクリエイティビティさを出すかが重要になってくるはず。そういった滑りをレッドはできてるから、今、勝ててるんじゃないですかね? 彼のジャンプはスイッチバックサイド1260、フロントサイド1440、バックサイド1440と、そんなに難しくはないけど、Rをちゃんと使ってトリックを仕掛けたり、レールも上手いから高ポイントを叩き出すんですよ。

-ユウキはビッグエアとスロープの両種目でトップを狙ってるんでしょ?
もちろん。ただ、どちらかと言えばスロープが最近は楽しいので、そっちを頑張りたいと思ってます。一時期はビッグエアが楽しくて集中していたけど、スロープのほうが全体的なスキルを試されるから、そっちで勝ったほうがすごいなって。ビッグエアは、その日の一番勇者やったヤツ、心を決めたヤツが勝つみたいな感じですね。

-そもそもユウキに恐怖心はあったりするの?
めっちゃありますよ。でも、行くしかないし、何よりも勝ちたい。たとえ怖いと思っても、「もう、オレ、スタート台に立ってるやん。今からバインディングを外してスタート台から降りる? いや、行くしかない」って感じですね。ダサいことができないのはスノーボーダーの性じゃないですか。

幼少の頃に磨き上げたハーフパイプのスキルがあるからこそ、クリエイティブなラインをスロープスタイルでも描けるのだ。マンモスマウンテンで行われたRED BULL RECHARGED 2019では久々にパイプでも魅せた Photo T-BIRD / Red Bull Content Pool

後編へ続く。

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今僕たちにできること。
次のシーズンに思いを馳せて「Reading for staying at home」。

角野友基より読者へメッセージ
「みなさん、シーズンも早く終わり物足りなさが残る2019-2020シーズンでしたね。そして、何よりも長い自宅待機お疲れ様です! コロナで世界中が大変な今、目にも見えない相手と終わりも見えないこんな状況は長く続いてほしくないです。その中で僕たちにできることは、極力人との関わりを避け、しっかり自分の身は自分で守ること。自分の行動に責任を持つことだと思います。『今の外出は必要ですか?』もう一度考えてみてください。誰かの大切な人がいなくなるかもしれない。もう他人事ではないんです。100%にならなくても、そこに近づける努力をすることはできる。今は、ひとり一人の行動が大事な時だと思います。
自宅待機で仕事などが思うようにできなくて大変ではありますが、僕は凄くいい時間だと捉えるようにしています。忙しかった普段の生活では時間もあっという間に進んでいた。でも今僕たちは自分で自分の時間をコントロールできるじゃないですか。起きる時間、ご飯の時間、寝る時間。何にも時間に追われない。今、みんなの命を守るために自分のことをそっちのけで働いてくれてる人たちもたくさんいるんです。だからこそ今ある貴重な時間を有意義に使いたい。家の中でできることは限られているけれど、それでもええやん。生きてる実感を持って、普段当たり前にあるものに感謝したい。気づいてないこともまだまだいっぱいあるはずだから。全ては、また大好きな仲間と大好きな場所で大好きなスノーボードをするために。-角野友基