DREAM SESSION 2016、人工地形イベントの舞台裏。

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先週末3/12-13に白馬・乗鞍温泉スキー場でDREAM SESSION 2016がおこなわれた。昨年初開催したこのイベントの魅力は地形研究家・小松吾郎がプロデュースするオモシロ地形のバンク&ボウル造作物にある。昨年はスキー場麓の立体的なスペースに複数のバンクがバランス良く配置されコンパクトにまとまったレイアウトだった(詳しくはFREERUN 3月号P62-63で掲載)。そして今年は同スキー場の別エリアでアイテムが造作され、両日延べ約300名近くのユーザーが参加し、2日間に及ぶセッションは大いに盛り上がりを見せた。

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オーガナイザー&MC小松吾郎
オーガナイザー&MC小松吾郎
ファーストライド: 小松吾郎
ファーストライド: 小松吾郎

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昨年自分は大会当日だけ参加したのだが、今年はイベントの1日前から現場に入りアイテム造作から参加させてもらうことに。このレポートでは、あまり知る機会のなかった「夢の舞台」ができるまでのストーリーを中心にレポートしようと思う。

 3/11(金)朝9:00にスキー場へ集合した。駐車場にはライダーの仁科正史や地元白馬・安曇野ローカルが10名程集合していた。さっそく現場の状況を聞いてみると、どうやら昨年の場所は雪不足のためアイテム造作が厳しいと判断し、同スキー場のパイプ跡地のエリアで4日前から造作が進んでいるという。準備を済ませ現場へ向かうと、パイプのプラットホームの中腹あたりで何やら長澤優作らしき人物が作業をしている。パイプの反対側だったため、その姿を横目にパイプ上部へ向かうとプロデューサー小松吾郎が笑顔で迎えてくれた。

「手伝いありがとう。今年は雪が少なかったからこの場所にしたんだ。雪が少なければ、少ないなりに色々考えれば全然面白いコースができるね。ここのコースが日本で、こっちが旧日本で、あっちの優作が作業している場所が離島でガラパコス島 …… 。」のっけから小松吾郎らしいアイテム説明だった 笑。

 説明後じっくりまわりを見渡すと、今登ってきたパイプ斜面の反対面はスノーボード用のバンク&ボウルコースが広がり、パイプ上部のボトムでは五明 淳や松浦 将らを中心に造作している雪板専用コース、そしてパイプのプラットホーム中腹~下部にかけては長澤優作らがプロデュースしているスノースケート用のバンクコースの造作が進んでいる。とはいっても、まだまだ雪をかき集めただけの状態の所もあったり、スノーボードコースのエンドボウルも未完成の状態だった。色々と話しをしているうちに掘りスタッフが徐々に集まりだし、OUTFLOWの西山 勇、GREEN.LABの中山二郎、今野 “ポルノ” 昇や地元SHOP VEXの金澤さん、栂池ローカルの渋谷 謙、富山クルー、YONEFILM、DIGGIN’ MAG DIE GOさんなどなど他にも錚々たる面々が約30人程集まり本格的に作業が進んでいった。

雪板コース創作中の五明敦史と小松吾郎
雪板コース創作中の五明 淳と小松吾郎
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自らも雪板で滑りながらコースをイメージしていく五明 淳
同じく雪板セクション担当の松浦 将
同じく雪板セクション担当の松浦 将

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こちらは離島ガラパコス島担当の長澤優作
こちらは離島ガラパコス島担当の長澤優作

自分もスノーシェーパーを借りエンドボウルの整備にとりかかった。彼らの指示のもと絶妙なRを崩さずに整えていく作業へ。他にもランディングのR調整や、ユンボで雪盛りした雪をバンクやパンピング用の半円のモッコリ形状へ整える作業をしていく。これだけのライダーが一同に集合しアイテム造作にとりかかると作業はスムースに進んでいく。みんな滑るラインをイメージしながらアイテムのサイズ調整やバンク&ボウルの角度が整えられていった。

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イメージを共有しながらみなで共同作業へ
イメージを共有しながらみなで共同作業へ

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大町ローカル仁科正史
大町ローカル仁科正史

 中でも印象に残ったのが、3m×2m程度の雪盛りを数人のディガーでモッコリ形状へと整え完成した際、小松吾郎からダメだしが。「ごめん。これじゃー 角がありすぎてリップ to ランディングのRになっちゃって、ジャンプのみのラインになっちゃうから、もう少し角を丸くしてなめらかにしてもらえるかな。そうすることで地形が3Dになって、もっと色んなラインが生まれる。その方が面白いから!」との指示に、みんなで角をなめらかに再調整。するといろんな入り方がイメージできるアイテムに変身した。まるで●っ●いのような 笑。

小松吾郎からアイテム形状調整の指示が
小松吾郎からアイテム形状調整の指示が
みんなで微調整
みんなで微調整
OK!バッチリ!ありがとう!やっぱりこの形じゃないと?
OK!バッチリ!ありがとう!やっぱりこの形じゃないと?

 小松吾郎がイメージするアイテムやレイアウトそしてイベントの形は、人それぞれが自由に様々なラインを描くことができるかということ。そして、このみんなで作り上げた地形をどうクリエイトし攻略しながらスタイルを出し繋いでいくかがポイント。そして、この自由に楽しめる空間やセッションこそがDREAM SESSIONの醍醐味なのである。バンクのリップでレイバックやボードスライドするも良し、ジャンプするも良し、つまり滑ることさえできればレベルを問わず誰でも楽しむことがでる。そしてライン取りでさえもスタイルがでちゃうのがこのバンク&ボウルの奥深さでもある。このように創作からバンクを作っては試して滑るを繰り返しながら、微調整を繰り返し様々なラインをイメージしながら本番への準備が整えられていくのだった。今年は造作の空気感を感じることによって、このイベントのさらなる意味がわかった。

創作最後の最後で、ナチュラルウッドを見つけてきてアイテムに設置!
創作最後の最後で、ナチュラルウッドを見つけてきてアイテムに設置!

 そして今年のDREAM SESSIONのポイントはもうひとつ。今シーズンは全国各地で雪不足で悩まされたが、雪が少なくても遊び方はいくらでもあるということ。今回のアイテムの特徴はスノーボード以外にも雪板やスノースケートでも遊べるコースがディズニーランドのテーマパークのように設置され、参加者は雪のコンディションにあわせて板をスノーボードから雪板、スノースケートへチェンジしながらそれぞれのアイテムを滑り尽くせることだった。雪板メーカーやスノスケメーカーによる板の無料レンタルや試乗会、フードブースもありと子供から大人まで誰もがピースに楽しめる環境が整っていた。来年参加するなら雪板やスノスケ用のスノーブーツを持参し完璧なスタイルをオススメする。白馬らしく雪のヨコノリ遊び全般を遊べるイベントなのだ。

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子供も雪板セッション
子供も雪板セッション
プロスケーター上田 豪とREDI ボス大江信行のセッション
プロスケーター上田 豪とREDI ボス大江信行のセッション
水上ローカル勝山 "ノリ" 尚徳も雪板RIDE
水上ローカル勝山 “ノリ” 尚徳も雪板RIDE

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チャラかっぺ&メリケンジャップがナイスなサウンドとラップで会場を盛り上げる
チャラかっぺ&メリケンジャップがナイスなサウンドとラップで会場を盛り上げる
誰よりも滑っていた仁科正史
誰よりも滑っていた仁科正史

好き者が集まり好き者のためにアイテムを創作する。

そして当日、好き者が集まり雪上ヨコノリイベントを最高に楽しむ。

まさにDREAM SESSION、夢のイベントだ!

オーガナイザーの小松吾郎さんをはじめとするライダーのみなさん、アイテム創作のスタッフ、関係者の皆様、参加したユーザーのみなさん。今年もお疲れさまでした!

そして最高な夢の時間をありがとうございました。

オーガナイザーの小松吾郎。おつかれさまでした!
オーガナイザーの小松吾郎。おつかれさまでした!

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そして、先週参加できなかった人へ朗報!

DREAM SESSIONのアイテムと残った雪をできる限り利用してのアフターセッションも開催予定とのことです。(ただし雪のコンディション次第では中止の可能性もあり)

下記日程でそれぞれコンセプトを分けての開催予定みたいです。
@白馬乗鞍温泉スキー&スノーボード場

★ONE DAY BOWL CAMP(3/19・土)
ボウル初心者の為のONE DAY BOWL CAMP

★MIXING BOWL PARTY(3/20・日)
ヨコ・タテ オールミックスのSPRING BOWL PARTY

詳しくは下記フライヤーをチェック!

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