編集部が選ぶ「COWDAY 2019」のMVPライダーをインタビュー

top_2019cow114国内最強のストリートライダー決定戦として、大阪のど真ん中で開催された「COWDAY 2019」。その熱戦を取材するなかで、FREERUN編集部が独自目線でMVPライダーを選出。そのライダーに直撃インタビューを敢行した。予選から450インなどのスピンを連発していた濱田海人、ファイナル後半では驚異のメイク率を誇った角野友基、男気あふれるスタイルが印象的だった相澤 亮……。そんな彼らを抑えて取材班がMVPに選んだのは、同大会で優勝の栄冠に輝いた國武大晃だった。
Photo: Fuchimoto Kentarou

レギュラー・スイッチに関係なく、高難度トリックから玄人ウケするトリックまでメイクした安定感はピカイチだった
レギュラー・スイッチに関係なく、高難度トリックから玄人ウケするトリックまでメイクした安定感はピカイチだった

まずは、彼の滑りの印象について、ジャッジのひとりである関 功に語ってもらおう。
「ジャッジだけの投票では、ファイナルで角野友基と國武大晃がほぼほぼ並んでたように思います。國武くんは予選より難易度の高いトリックにトライするも、なかなか決まらないところがありました。しかし、要所要所でハデな持ち技を決めていて全体的に観るとダントツで目立ってました。一方、ユウキはファイナル前半はなかなか決まらずスロースタートになってしまいましたが、後半に入ると4連続で難易度の高いトリックをメイクするなど恐ろしいくらい追い上げを見せてました。本当に全体的にレベルの高い戦いだったと思います。そのなかで國武くんの何がよかったかって言うと、ファイナルの紹介ジャンプでのフリップアウト。あそこで観客のハートを完全につかんだと思うんですよね。ジャッジ陣でも話をしていたことなんですけど、『魅せ方を知ってる』って。だって、彼が次にスタート台に立つと、次は何をするんだろうって観客の注目度が違いましたから。そして、誰もやらない3Dスピンアウトとかハデな持ち技を次々に決めるので、観客を惹きつけるのが上手かった。オーディエンスジャッジシステムにもっともフィットしていたライダーだと思います。2人とも同じくらいやばい滑りだったけど、より観客を惹きつけたところが勝敗の鍵になったと思います」
ーーー関 功

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それでは、國武大晃のインタビューをどうぞ。

-COWDAY 2019に出場した感想を教えて。
街中でスノーボードをするっていうシティイベントは、海外でジャンプの大会に出場したことはあったけど、国内では初でしたね。日本だと街中でやる大会自体も少ないので参加できて楽しかったし、めっちゃ面白かったです。ゲレンデのように広い場所があるわけじゃなく、かなりタイトなセクションで難しかったけど、自分にとっていい経験になりました。

-ファイナルの選手紹介でフリップアウトしたのは観客のハートをつかむため?
あのセクションで人とは違うハデなことをやろうとは思ってました。ただ、オレはあのセクションだと、フリップアウトくらいしかできないかなと思ってて……。

-それはジャッジシステムを意識して?
いや、そうじゃないんです。実はファイナルが終わって(岡本)ケイジくんから「出場ライダーは観客のいるところへ行ってコインを集めてください」っていう指示があるまで、そのシステムだってことを知りませんでした。ただ、会場に人がスゴい集まっていたし、その人たちを沸かせたいなと思っていただけなんで。今、振り返るとハデなトリックをかましてよかったですね(笑)。

-予選では3Dスピンのアウトなどは隠していたよね?
予選でスゴい技を出したら、観ている人たちは、「また、アレをやるんかな?」って思うはず。でも、次に何をするのかって読み取られるのってイヤじゃないですか? だから、観てる人が驚くようなことをしたいと思って、予選はけっこう抑えめな感じでした。最初のうちに何本も狙っていた技をメイクできたから、あとは流してたようなイメージですね。

変幻自在なトリックに大勢のオーディエンスは沸いた
変幻自在なトリックに大勢のオーディエンスは沸いた

セクションの印象は?
真ん中のレールからのトランスファーがきっと多くなるんだろうなと思ってました。そのなかで優勝を狙うんだったら、みんなとは違うトリックをしないとダメというか……違った攻め方をしないといけない。でも、ダウンレールもキンクレールもタイトだったから意外と難しくて。で、優勝よりもベストトリックを狙おうと切り替えたんです。そして繰り出したのが3Dスピンアウトなどのトリックでしたね。優勝できたのは、他にも何本かいい感じに全抜きできたのがよかったんだと思います。

-ギャラリーの歓声がスゴかったけど、ちゃんと聞こえた?
あまり聞こえなかったかも。滑ったら、階段を登って、用意して、滑って、階段を登って……の繰り返しだったから。自分の息遣いしか聞こえてなかったかも(苦笑)。

-他のライダーから刺激は受けた?
みんな攻めるのはわかってたので、自分はマイペースにやりたいことをやり続けた感じです。あとは、その場の雰囲気を楽しもうって。

-ジャッジだけじゃなく、ギャラリーからも投票されて優勝が決まるシステムはどうだった?
面白いなって思いました。観客も有名なライダーが近くに来てくれるし、写真も一緒に撮るタイミングもできるだろうし、ライダーからしても観客に近づけるっていうのはいいなって思いました。

-賞金は何に使う予定?
COWDAYの会場にもあったセグウェイを買おうと思ってます……が、まだ迷ってます(笑)。

-ジャンプのイメージが強いけど、もともとジブは好き?
小さい頃はジバーって言ったら言い過ぎかもしれないけど、ジャンプよりもジブのほうが得意で、かなりガッツリとやってましたね。

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-どこで練習をしてたの?
昔は地元から近い岐阜エリアに滑りに行くことが多くて、ダイナランド、ひるがの高原とかですね。ジブの大会にも出たりとかしてましたよ。昔からスタイルにもこだわっていたと思うけど、小さかったからトリック重視だったかも? 450インや450アウトのようにグルグルと回す系のトリックもやってましたよ。

-ちなみに現在のホームゲレンデは?
岐阜の鷲ヶ岳ですね。ただ、最近は海外遠征が多くて、あまり日本のゲレンデを滑ることが少なくなってはいます。滑るときも日本だとひとりが多いかもしれないです。

-最後に、今後の目標を教えて。
近々のことで言うと、まだ何戦か大きなコンテストが残っているので、そこのスロープスタイルの種目で優勝することです。

04_2019cow252國武大晃(くにたけ・ひろあき)
生年月日: 2002年2月10日
出身地: 愛知県阿久比町出身
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大阪のど真ん中で行われたストリートバトル・COWDAY 2019レポート記事はこちら