無観客でおこなわれたX GAMES、さらに進化を遂げた戸塚優斗が頂点に立つ

コロナ禍にあって中止となる大会もある中、世界最高峰の大会としてコロラド州アスペンでおこなわれているX GAMESは、無観客で大会を実施。いつもとは違った緊張感が漂う中で実施された大会。そしてハーフパイプではショーン・ホワイトが参戦してくるという情報もありながら、ここ最近絶好調にある戸塚優斗はどう戦うのか? 女子では平昌五輪の経験を経て、さらに成長を遂げた鬼塚雅を筆頭に日本人勢の活躍が期待された。
ハーフパイプ女子では女王クロエ・キムがその実力を存分に発揮し優勝を飾る中、松本遥奈が3位を獲得。また女子ビッグエアでは、鬼塚雅が2位とメダルを手にした。
まずは、期待のハーフパイプ。結局ショーンは練習中での負傷ということで本戦には欠場。戸塚はその前週にスイスLAAXでスコッティー・ジェームズを抑えて優勝、戸塚と同じYONEXチームで近年急速に実力をあげている平野流佳も3位という結果を受けて、今大会での日本勢の期待はさらに高まっていた。戸塚は昨シーズン終盤、コロナ騒ぎの直前におこなわれたUS OPENで、FSダブルコーク1440〜CABダブルコーク1260〜スイッチBSダブルコーク1080を繋いだルーティーンを初めて大会で披露して、優勝を遂げた。もはや1発目のFSダブルコーク1440は余裕さえも感じさせられるほどの完成度から始まるルーティーン。彼自身も「FSダブルコーク1440は、もう最近当たり前のように打ってるんで、もうコケるっていう気がしないですね。自信を持って安定して打ててます」という通り、戸塚の強さの真骨頂でもある。
ファイナルはジャムセッションでおこなわれ、現場で各ランごとのポイントは公開されていない。そのあたりも戦い方としてどう影響しているのかも気になるところだが、戸塚は1本目でスコッティに続き2位のポジション。スコッティを超えるにはやはりそれを圧倒するルーティーンが必要。そこでLAAXでスコッティを圧倒したFSダブルコーク1440~CABダブルコーク1260~スイッチBSダブルコーク1080~BSダブルコーク1260~FSダブルコーク1260という超高難易度のルーティーンを成功させた。現在の最高難易度ではないかと思われるルーティーンの披露の後の4本目のランでは、バックサイド1発目で特大のメソッドトゥークからFSダブルコーク1440〜CABダブルコーク1440〜FSダブルコーク1260〜BSダブルコーク1260をメイク。全てのランを終えて戸塚も大いに手応えを確信する。

「自分としてはもっとスタイルも出していきたい」と以前彼が語っていたように自分らしさを持った出したいという戸塚優斗の熱い思いが込められちたルーティーンだ。
バック・トゥ・バックの1440とはもの凄いレベルでの戦いとなっているが、その先にもまだまだ進化の兆しを彼らは見つけているに違いない。

優勝は戸塚優斗、2位スコッティ・ジェームス、3位は平野流佳。今後の日本勢の進化にも大いに期待したい。