2019年1月初旬から約3週間に渡りアメリカのユタ州に渡米した壁田竜一、和田 然、棟方 慧、田中一年とカメラマン日渡亮の5人。目的は海外でのストリート撮影。このTRIPを計画した張本人である壁田に、この濃密な3週間のシューティングストーリーを2回の連載で伝えてもらう。<まずは前編>
Text: Ryuuichi Kabeta
Photo: Ryo Hiwatashi

16時間をかけてアメリカ・ユタに到着

成田空港からダラス経由、16時間のフライトをして今回の目的地ユタ州のソルトレイクシティ空港に到着。この日空港に到着したのが21時過ぎ・・・。荷物を受け取ったり、事前に予約しておいたレンタカーをピックしたりすると時間は22時過ぎになっていた。俺たちは車に荷物を詰め込み今回の宿へ向け車を走らせる事約30分でようやく目的地のであるステイ先の一軒家に到着。ここでは、日本から事前にAIR B&Bで申し込んでいたのでスムーズにチェックイン出来た。

この日は到着が遅かったこともあり、みんなのリクエストで宿の近くにあったファストスード店 ”In-nout” で夜食を済ませ、24時間オープンしている近くのスーパーで買い物をして終了。

翌日、いよいよアメリカでの撮影が始まる。
まず最初に撮影で重要となるスコップなどのアイテムを買いにホームセンターへ向かった。

まずは今回のアメリカトリップの面子をご紹介したいと思う。メンバーは、俺(壁田竜一)、和田 然、棟方 慧、田中一年と、カメラマン日渡亮の5人でのトリップ。
ホームセンターで各自スコップとスノーダンプ、ヤスリ等を購入し、ウォーミングアップがてら ”Rail Garden” というポイントへ向かった。

俺(壁田竜一)。今回、アメリカトリップに行こうと言い出したのは、昨シーズンの終わり頃。最初は、俺とシカルで「行っちゃう?」的な軽い感じで始まり、シーズンオフにミニ四駆をした際に一緒に遊んだカズトシを誘い、出発の数週間前に「俺も行きたい」と言って来たケイとで今回のトリップに
和田 然。東京生まれ、長野在住の生粋のストリートハンター。自身で”Digi Film”と言うクルーのBOSSをやっている。難点は、滑舌が悪い所
田中一年。一年と書いてカズトシ。千葉生まれ&育ちの遅咲きルーキー。シーズンオフは、神田のお店で定員をしている
棟方 慧。青森出身、和歌山在住の通称”キャノンボール”。あだ名通りとりあえず勢いと突っ込む奴!メインスポンサーは、嫁のやってるバーMoong Moong!?
海外のホームセンタには、日本に売ってない物が色々とあって楽しい
今回のトリップの武器(スコップ等)を買い揃えた

ここの公園は、正式な名前もあるんだけど通称 “Rail Garden” と呼ばれてる場所。文字通り公園内にレールが沢山あり、そこら中のレールには誰かが作ったリップが常にある。このスポットには今でも世界中から有名なライダー達が遊びに来たり、撮影しているいわば ”ストリートレールの聖地” 的な場所だ。
自分達がやっていた時も、X GAMESのREAL SNOWに出ていたスペンサー・シューベルトが、ほぼ毎日REAL SNOWの撮影をしていた。

Rail Gardenでウォームアップする俺
同じくRail Gardenでウォームアップする
休憩中もスノーボードの話ばかり・・・かと思えば関係ない話ばかりw
シカルが巧みにレールを攻める。こんなスポットが日本にも欲しいとみんな口を揃えて言ってた
ライダー同士で映像を撮りあい映像をチェックする
公園内にあるベンチにリップが付いてたのでそのままハイエナのように滑る俺
大した事ないように見えるベンチだが実は・・・ステンレス&足が出てるので意外と危険なスポットでスタイルを出すシカル
遊んだ後は撤収!


無数にスポットが点在するユタ

ユタにはスポットが多く存在している。少し移動した場所や遠く離れた所にも探せば色々と見つけられる。
別の日は、Rail Gardenと違う公園内にあるマニュアルパッドのスポットで撮影したり、他の公園内にあるバスケットゴールで撮影したりと、滑り手の発想力とアイディア次第で探すだけスポットは見つけられる環境なのだ。

近所の学校帰りの一年と身長が変わらない事に女の子もびっくり!
だけどしっかり残す時は残す!
アプローチでの1コマ。(小学生が遊んでるのを見ている中年男性達)
撮れた映像をチェック
バスケットゴールをwall ride by Kabeta

各自やりたいスポットを探すためにグーグルマップを駆使して目星をつけ、車を走らせその場所へ向かう。直接現地に行って見るとレールロックが付いていたり、アプローチやランディングに難があって出来ないスポットや、雪が多すぎたり少なすぎたり・・・。そう簡単にベストなセクションを見つけられるわけではない。だからこそ、良いスポットを見つけた時は、みんなで ”YEAH!!” と喜び、 ”すぐにやろう!” と気持ちを高ぶらせる。そんなスポット探しもストリートの楽しみの1つだ。

そんな感じで、最初の数日間は朝から移動してスポットを探しながら日が暮れるまで撮影をする日が続いた。

ある程度スポットの目星がついた所で、みんなで話し合いながら効率よく動けるように、天気予報などを見つつ各自やりたいスポットに行く日程を組み立てた。ちなみに、撮影現場以外の宿の時間では、撮影した映像をチェックしたり、映画を見ながらお酒を飲んだりしてアメリカ生活を楽しむ。時に寝てる奴にいたずらをしたりして楽しんでいた(笑)。

撮影から帰って来て部屋でまったりタイム
移動を繰り返しながらスポットシーク

今後の撮影予定がまとまっていくうちにみんな一層撮影に力が入る。この日は、フラットのレールがカクカクし、まるでイナズマのような形をしているセクションがあるスポットへ向かった。しかし、この日のコンディションは結構悪く、前日の夜から降り出した雨のせいで、雪が水分を吸ってしまい朝の放射冷却でカッチコチの氷地獄&雪不足だった・・・。

そんなコンディションではあるが雪をかき集めてアプローチ・リップ・ランディングを作る事約2時間。ようやく撮影できる準備が整い撮影を開始。このセクションにはみんな苦戦しながら映像を残すも・・・ここで俺とシカルの板が折れてしまった(苦笑)。

B/S 50-50 1st try by Kabeta
その後に他の技をしたら・・・折れた(1本目)
F/S 50-50 to 180 out by Kazutoshi
B/S Board slide by Kei a.k.a. 山田うどんstyle
まだトリップ前半なのにこの日、俺とシカルの2人の板が死亡・・・

そんなアメリカトリップも前半戦が終了。
その後も波乱万丈が・・・!?

後編の記事へつづく。

このトリップのムービーがこれ↓