稲村 樹が送るコンテストレポート イナムライフ #2 オーストリア編

ライダー稲村 樹が世界を転戦し、今のコンテストシーンをライダー目線で切り取っていくイナムライフの第2弾!今回は、ヨーロッパのオーストリアへ。Pleasure Jamという大会に参戦してきた。そんなオーストリアライフをレポートする。

イナムライフ #2 オーストリア編

Text&Photo: Tatsuki Inamura

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今回の旅は宮澤悠太郎(BURTON)と共に旅をすることになった。悠太郎も僕と同じ様にコンテストを中心に活動している。

今年の秋はオーストリアのDachstein glacierというスキー場に向かうことに決めた。
理由は一つ。ここで行われる”Pleasure Jam”という大会に出場し、成績を残す為だ。

今回は飛行機でオーストリアまで行くと旅費が高くなってしまうという理由でドイツのミュンヘンから車で向かうことにした。ミュンヘンから宿泊先のシュラドミングの街まで車で2時間半ぐらいの道のりだが、最初は慣れない左ハンドルといつもと違う右車線に不安を抱えながら運転していた。悠太郎がGoogle Mapを使って道案内、そして僕が運転するといった良い感じで役割分担ができていた。

Dachstein Glacier

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Glacierというだけあってスキー場はロープウェイで上がった先にある。天気が良い日にはかなり良い景色を見る事ができる。

シュラドミングからDachstein Glacierまでは車で20分ぐらいの一本道。一回通ったら覚えられる、比較的に簡単な道ノリだった。
ここで注意しないといけないのは最初、目的地を探す為、Google MapにDachsteinと入力するだけでは目的地とは違うスキー場所が表示される。Dachstein Glacierと入力しなければ正確な場所が表示されない。そしてもう一つ。
バスでスキー場まで移動する手段もあるのだがバスの本数も少なく、かなりに不便。そして、バスで移動する場合、大会の日には開始時間に間に合わないという事で車を持っていない選手たちは他の選手たちの車に便乗すると言った感じだった。

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スキー場はかなり小さく、一枚バーンの斜面に3本のTバーが設置してあるといった感じだった。シーズンインをしたばかりの僕たちにとってはフリーランを滑り込みたいと思っていたので、正直物足りなかった。

Pleasure Jam

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アメリカでのシーズンイン直前である11月中旬、尚且つ7日間という短期間の遠征を組んだことで、僕はこの大会を大切にしていた。良い滑りをする事を何度もイメージしていたし、上手くパフォーマンスをする準備は万端だった。しかし、現実はそうはいかなかった。
img_0666 用意されていたコースは13Mと18Mの2連ジャンプからのレールが2セクションあるといった比較的一般的なスロープスタイルのコースだった。公開練習は二日間用意されていたが、風が強くジャンプの練習をほとんどする事が出来なかった

大会前日のライダーズミーティングでは二つの事が発表された。
一つ目は大会当日の天気が悪いので翌日に延期するという事。
二つ目はもし翌日も天気が悪い時はジャンプを無しにしてジブの大会にする。加えて、その場合はインターナショナルクラスのコースに見合わない為にこの大会の位置付けが下がってしまうという事だった。僕、個人の意見としてはインターナショナルクラスの大会という事に魅力を感じてこの大会を選んだので、どうか天気が良くなる事を願いながら大会当日を迎えた。
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ジャンプの後のレールを使っての大会となった為、アイテム自体の難易度は難しくなかった。2つのレールがなかなかの曲者でたくさんのライダー達がここでミスをしていた。 僕も二つ目のセクションでミスをしてしまい敗退。

大会当日は、Tバーを動かせないほどの強風に見舞われた。もちろんそんな天気ではジャンプをする事はあまりにもリスクが高い。前日のライダーズミーティングで説明された様にジブの大会に変更となった。
ジブの大会になったこともあり、かなりファンな感じで雰囲気も良く和気あいあいといった感じ。全員のラン見ていると下まで綺麗にメイクするライダーが少なく、しっかりとランを決めた人が上位に入ったという感じだった。優勝したのはノルウェーの若手Markus Olimstad。
予選からずっと安定していてほとんどミスもなく、とてもスタイルのある滑りでスタイル、メイク率が共にずば抜けていた圧巻の滑りだった。

今大会は海外の大会ならではの難しさ感じた。国内の大会ならある程度予想をつく事ができるのだが、初めて行く海外の大会は何が起るのか分からない。今回はなんとか大会をやってくれたのだが、最悪の場合、中止になってしまう事もしある。もちろん天候に左右される事なので仕方がない事だが、その遠征に行く費用、時間など様々な事が犠牲となってしまう。しかし、国際大会で成績を残す事は僕の目標の一つでもある。今回の様に思い通りにいかない事がこれからもあるかもしれないが、また目標に向けて準備をしていきたい。

(1)WSTとは
スノーボードの競技団体。ほとんどの大会は上から順に
ELITE INTERNATIONAL NATIONAL REGIONAL と4つのクラスに分けられている。
基本的にはポイントをたくさん持っている選手達から順に上のクラスの大会に出場する事ができる。ポイントは大会に出場して成績を収める事でゲットする事ができて、それが上のクラスで成績を収めるほどポイントを多くゲットできるといった仕組み。

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愛知県扶桑町出身。小学生の頃からスノーボードを始め、インドアゲレンデやジャンプ練習施設などで培ってきたスキルを発揮し、スロープスタイル・BIG AIRのコンテストをメインに活動中。また “HYWOD” の一員としても、映像を通して自分のスタイルを表現している。今シーズンは世界中のコンテストを巡り、スキルを磨き、高みを目指している。 Sponsor : ムラサキスポーツ / サロモン / 牛乳石鹸 / SMITH OPTICS / QUIKSILVER / SNOVA羽島 / KINGS GROUP / ARK / PAP / TOKO