上田豪 インタビューVol.2

スケートボードのプロとして全国を回り、スケートボードの楽しさと情熱を伝え続ける上田豪。
前回のVol.1のインタビューでは彼の活動、スノーボードにのめり込んだきっかけを詳しく聞く事ができた。

インタビューVol.1 はこちらから

今回のVol.2では彼にとってのスノーボードとスケートボード、家族、ライフスタイルについて述べてもらったインタビューをお送りします。

上田さんにとってSnowboardingとSkateboardingとはなんでしょうか?

昔スケートボードの雑誌でスケートボードとは?と聞かれた時に「命」って言った気がするんだけど、スケートボードは上田豪として居続けさせてくれるエネルギーであり、俺そのもの。自己表現、セルフプロデュース、それを最大限させてくれて、活かせてくれる遊びであり、乗り物。
スケートボードを教えてる子供の父親とかで大企業の重役の人とかが居るんだけど、もし俺からスケートボードを取って、俺の行動力、営業力を他の業界で発揮したら凄いと思うし、億ぐらい稼げるはずって言ってくれるんだ。そういう人って色んな人を見てるから、そういう中で俺にその様に言ってくれるんだけど、俺が返す言葉は「スケートボードだからこそ俺はできているわけで、お金稼がなきゃとか家族養わなきゃといっても他の仕事は絶対にできません」って伝えてるんだ。

スケートボードは自分を活かしてくれるものだし、嘘をつかせないものでもあるんだよね。ものを売る時に嘘をついて売りたくないし、よくないものは仕入れないけど、よくない売り方もしたくない。デモンストレーションでも自分の力を出し切るし、営業でもMCでも同じ。「手を抜く=嘘をつく」という位置づけなんだ。

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He did MC at Oguni Classics presented by Tadashi Fuse. it was great dinner with AWESOME riders.

スケートボードとスノーボードは全く違うものだと思う。もちろん似た感覚はあるけれどね。スノーボードはスケートボードで培った感覚や理解している事を、スノーボードによってさらに自分のリミットを外してくれるし異次元に連れて行ってくれる感覚かな。

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FREERUN 2014年3月号より  協力 : FREERUN  

スケートボードでスノーボードのようなスピードや高さを出す事はできないし、スノーボードは相手が自然だから、いきなり天候が悪くなってホワイトアウトに陥って、全く音がないような異次元の状況になったり、パウダーで胸まで埋まったりって事もあるよね。

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Yeah!  he is always trying to challenging. Nice work!

スケートボードでやべえ!って言う状況は残念ながらもう全てわかっちゃってるんだ。20段のハンドレイルに入る為にはどういう気持ちでどういう事をしなきゃいけないとか、もうわかっちゃってるから。スケートパークを見ればすぐどういう風に滑ればよいかとかもわかってしまう。
しかしスノーボードはまだ何もわからない一個一個手探りの状況、だから異次元というのはそういうヤバい意味の異次元でもあるし、俺が初めてスケートボードに出会った「すげえ楽しい!」「どうすればいいんだ?こうやればいいのか?」というような感覚を再び呼び起こさせてくれる大事なものだね。

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Yeah Go!  Everyone respecting him cause he has strong spirit and actions.

上田さんというと男気溢れる、筋がはっきりしているイメージがありますが家族に対しては?

家族に対しては申し訳ない気持ちでいっぱい。息子と土日出かけたことなんて年間3~4回ぐらいかな。土日に居ないお父さんって感じ。基本的に家族に対しては迷惑かけてるね。自分自身が矢面に立ってというかチャレンジしているというか、カッコつけているというか。家族を背中側に置いて常に前を向いて自分のビジュアルに入ってくる状況に対して、自分のスタイルを崩さないでいる感じだね。俺自身が一日一日をイメージしてどうカッコつけるか、そして今日ちゃんと仕事できたのか?とか今日のイベントは立ち回れたのか?とかいつも考えているんだ。

そういう意味では自分を一番に考えているんだけど、外にでれば人と良い意味でぶち当たってるから、常に真剣勝負なんだよね。
このインタビューだってそう。真剣にぶつかりあって自分を表現するんだ。それをトータルで見てお金を稼いできているし。だからもう一人の自分がいて、いつも自分を厳しくチェックしているんだ。

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After Family snowboarding trip, back yard was always like this. messy?  NO. this is on of great life scene.

真剣に頑張り、疲れて家に帰ってきた時に家族はどういう対応をしてくれますか?

本当に俺が疲れて帰ってきたとき、家族は俺の顔見てわかるから、「やばいね、疲れてるね、パパ」って息子も言ってくれるし、「疲れてると思うから早く寝てね」って温かい言葉をかけてくれるんだ。でも疲れ切ってそのままソファーで寝ちゃって次の朝息子に起こされたりしちゃうことも多いんだ。

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With YES Crew and Skaters from Fukushima, and Kousei Toyooka from Premium Team rider. Looks like they were having a great time!

そういえば家族旅行で海外に行きましたよね?

実は13年前に結婚したにもかかわらず新婚旅行にも行けてなかったんだけど、4年前に初めて家族でタイに海外旅行に行ったんだ。そこで子供にいつもと違うものをたくさん見せてあげられる事ができて息子が大喜びで。食べ物も文化も違う場所で「ご飯どうする?」とか「どうやってあそこまで行く?」とか家族一緒で悩むわけ。そういうときの息子の表情っていつもと全然違うんだよね。日本だとなんだかんだ何をすれば良いか子供にもわかっちゃうし。

シンガポールに行った時、高かったんだけどマリーナベイサンズに泊まった時も「パパ!ここ知ってる!SMAPのCMのやつだ!」とか、子供が興味を凄く持ってくれたんだ。
お金のことも「パパ、これ日本で売ってるよね?でも高い。日本だと安いのに」「なんで高いか知ってる?これは日本のものなんだよ。これを輸入っていうんだ。だから日本で売られているスケートボードも海外より高くなっちゃうんだ」ってやりとりして会話が増えて、子供にも色んなことを経験させることもできた。
だから家族で行く海外っていつもと違ってイーブンになれるんだよ。金だしているのは俺だけどみんなが居てくれるから俺も楽しんでプールの横でゆっくりさせてもらえるなって思うんだ(笑


目指すライフスタイルというものはありますか?

俺はスリルが大好き。金持ちもいいんだろうけどそれでアタックできないんだったら金持ちにならなくていいって思う。あと会社っていう存在が最近「凄いな」って思うんだ。例えば大企業があって子会社があって下請けがあってたくさんの人が関わっていることに気がついた。だから一人じゃできないから色んな人が集まってお金を稼ぐって素晴しいなって感じてる。

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Shredder Snowmobile Rider, Atsushi Goto was taking care of us. Snowmobile was MONSTER! Of course ATSUSHI as well!

でも上田豪は「上田豪」っていうスケートボーダーであり、スケートボードで飯食ってる人達のスペシャリストでありたい。24時間スケートボードのことばっか考えてるし、深夜に電話が来たり商品を引き取りにきたりするのも全然構わないんだ。むしろ嬉しいぐらい。でも、いざ誰かを一員として迎え入れたらその人にも同じようにやってくれ、って言えるかというとそれは言えないよね。だから俺はいい意味でやさしく迎え入れてくれるエリアがある所に彷徨う狼みたいなものなんだって気がついたよ。

それとお店がいざっていう時、なんかあったら上田豪に頼めばいいだろうというような、必要とされる自分でありたいし、それを続けていけたらいいなって思う。だからこそ一人なんだけど一人じゃないんだよね。

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Went riding with Skaters. 

あとはRediのノブが言ってて自分も凄く共感したんだけど、
俺にとっての「いい飯」っていうのは遠くの所に行った時に、俺をそこに呼んでくれた仲間と一緒に囲んで食う飯のこと。
いい所に住むっていうのはスケートボードが近くにあって、すぐにスノーボードにも行けたり自分が動きやすい所で住むこと。
いい服を着るっていうのは一着何万円、何十万円もするような服を着ることじゃなくて、俺の仲間が作った服、サングラス、わざわざプレゼントしてくれた仲間のブランドの服、そういうのを着ることが俺にとってのいい服を着るって言うこと。
それが最高なんだって言う気持ちをいつまでも持ち続けたい。

そして自分は身体が動き続ける限り、アタックし続けたい。

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With his good buddy, JT from Custom Produce Inc. they did not care it was foggy or not. JUST HAVING A FUN at Marunuma Park.


最後にSBNをみている人達に一言お願いします。

まずスケートボードをやって欲しいと思う。なんでかというとやることによって1年中身体が動くようになるし、それがスノーボードにも必ず役立つはずだから。
あとね、俺勉強嫌いなの。だからすぐに諦めることも多い。だけどスノーボードだけはそうじゃなかった。

シュリンプテール?カタシャ?ビッテリーターン?ストラクチャー?ノースフェイス? ピステン? ゾンデ? スラフ? セッピ? パック? ロメインデマルチ? シュート? サワ? ビバーク? デブリ? スキヤーズレフト? ロッカー?

スノーボードに関しては自分は勉強していないんだ。だけど好きなことは気になるし自然と覚えてくるんだ。雑誌見て一生懸命覚えた頭でっかちじゃないんだよね。直接山へ足を運んで仲間に聞いたり体験したりして頭に入っていくんだよ。
好きな事への飽くなき追求、スポンジのように知識を吸収するにはSK8 と変わらず充分すぎる程発見が多すぎる、楽しくて奥が深いスノーボード。そういう意味ではスケートボード、サーフィンよりよっぽど特殊だと思う。

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Spring snowboarding?  If you want, Okudtadami is the one for sure.  Locals are always looking after me.

だからそういう知識を得る為には、やっぱりそれの知識を持っている人が居ないとどうしようもないから、近くのプロショップに必ず行って欲しいね。最初ドアを叩くのは不安かもしれないけど、通い続けてコミュニケーションをとれるようになれば、色々教えてくれるはずだし、きっと素晴しい経験、体験や情報交換ができるはず。
そういうリアルな環境づくりを自分で構築することによって、リアルな場所でもっと楽しくスノーボードができるはずだから。

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プロスケーター上田豪のDistribution, 13mindは様々なスケートボードプロダクト等を日本で広めている。
彼を支持するスケーターは数多く、Premium Skateboardsの豊岡航生を始め、日本のスケートボード業界を盛り上げるべく
様々な場所で活躍している。
是非13mindのオフィシャルサイトをチェックしてみては如何だろうか?

オフィシャルサイトはこちらから

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Interview and Edit by
Credit_Kazu(7)

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