ブルー・モンゴメリー氏インタビュー 「限界を作らずに未来へとスノーボーディングを守っていく」 <前編>

A_E5A5634_sCAPiTAが産声を上げたのは2000年。創始者であるブルー・モンゴメリーが住むウェストシアトルのガレージから初まった。当時彼は26歳。スノーボーダーによるスノーボーダーの為のブランドを16年の歳月をかけ作り上げてきた。そして昨年11月、遂に長年の夢であった自社工場マザーシップをオーストリアに誕生させた。今後世界のスノーボードカルチャーを牽引していくブランド、CAPiTAが考える未来のスノーボーディングとは果たしてどんなものなのだろうか。

フリーラン(以下、F):先日CAPiTAのWEBで公開された「15 Years in 14 Minutes」の映像で、CAPiTAの始まりは瞬間的なものじゃなく、アイデアだったと言っていましたが、そのあたりのことをもう少し詳しく教えてもらえますか?あなたは、仕事を辞めシアトルに引っ越して、家を買って、ブランドを立ち上げる。それを全部同じ年にやってのけたわけですが、そのあたりの展開もクレイジーと言われても仕方がないですよね。

ブルー・モンゴメリー(以下、B):そうだな、確かに瞬間的なモーメントじゃなくて、アイデアだったよ。それはスケートボーディングやサーフィン、スノーボーディングに昔から生き続けているコンセプトによって、動かされるブランドをつくる事。この事はオレ達のカルチャーにとって最も重要なことだよね。スケートボーダーやスノーボーダーこそが、オレ達が愛するスポーツの未来へと導いていく存在じゃなきゃいけない。スノーボードのシェイプ、フレックス、感覚、製品クオリティ、何をどうやっておこなっていくか。スノーボーディングの未来を形作っているんだ。当時、気の合う仲間と共にスノーボーダーによるスノーボーダーの為のブランドを立ち上げようって事になって、CAPiTAをスタートさせた。CAPiTAの名前の由来もそこから来てる。Per Capita (=1人あたり)って意味を含んでるんだ。“1人1人のためのスノーボードブランド”って意味合いを込めてね。

F:ではCAPiTAのロゴであるメタファーもその当時からアイデアとしてあったってことですか?パイチャートの様にも見えますけど?

B:メタファーのロゴね。うん、そのままメタファー(=隠喩)という事だよ。オレ達の人生を表してくれるもの。真ん中のサークルを取り囲んでるパイの形をした空間。パイの部分は人生における様々な興味や要素を表している。それは例えば仲間だったり、家族、音楽、アート、なんでもいいさ。そして真ん中のサークルはスノーボーディングを象徴している。CAPiTAは特にアートや音楽、仲間との繋がりやストーリーがコアとなるスノーボーディングを取り囲んでいるからね、このロゴ以外他に考えつかなかったよ。

CAPiTAは2000年にアメリカ・シアトルでブルー・モンゴメリーとライダーのジェイソン・ブラウンの手によって誕生した
CAPiTAは2000年にアメリカ・シアトルでブルー・モンゴメリーとライダーのジェイソン・ブラウンの手によって誕生した


CAPiTAの自社工場MOTHERSHIPが­ついに始動!ライダーズブランドが自社工場を始動させるまでの15年間を14分のムービーに凝縮

F:CAPiTAがスタートした当時、スノーボーダーがドライブするスノーボードブランドは他にありましたか?他にあこがれてた様なブランドなどは?

B:ライダーがドライブするブランドはスノーボードが生まれた当初からあったさ。その多くは結構ユルい感じのブランドで、ある意味そのユルさがブランドをクールにしてた。でも長く続くブランドを目指すなら、そのユルさを捨てて、より形式ばったというか、会社としてのちゃんとした基盤が必要になってしまった。90年代後半から2000年代前半にかけてのスノーボードシーンは“コア”というキーワードが全てだった。コアショップ、コアスノーボーダー、コアブランド。マーケット自体も”コアなスノーボーディングこそがクールだ“なんて感じで打ち出してた。でもCAPiTAは全くの逆。オレ達は一度もコアな部分だけにフォーカスするような排他的なブランドになった事はないよ。どんなスノーボーダーに対してもウェルカムで、全ての要素を受け入れる。それがCAPiTAのコンセプトだよ。

F:ボードシェイプも当初からブルーが担当してたんですよね?

B:ああ、今もね。

F:コアな部分だけじゃないから、スノーボーディングってライフスタイルって言えるのでしょうか?

B:その通りさ。完全にライフスタイルって言っていいよね。それはここ最近に生まれたような定義じゃなく、オレがスノーボードに出会った頃。そうだな、ちょうど15歳の頃かな、その時からスノーボーディングはスポーツじゃなくて生活の一部になっていたよ。考えてみればライフスタイル以上のものだったのかもしれない。仲間はすべてスノーボーディングで繋がり、ファッションも音楽も、自分たちの向かう先や付き合う人達、すべての物事がスノーボーディングのカルチャーに影響されていた。高校3年生の頃はスノーボーディングの虜になっていたし、そのことしか頭になかったよね。雑誌を読めば、カバーからバックカバーまで、そしてページの隅々まで読み漁り、ビデオテープがすり切れるまで何度も繰り返し観ていた。その当時、世界中でロックスターレベルのプロスノーボーダーは25人とかその程度。現在はメディアも注目し、スノーボーディングが一つの大きなムーブメントを生んでいる。それもあって世界中で何百人、何千人というプロスノーボーダーがいるよね。昔と比べるとそこが大きな違い。オレがガキの頃、プロスノーボーダーと言えばスーパースターだった。

F:確かにそうですね。今は多すぎると思いますか?

B:GOOD&BADだね。テクノロジーはキッズ達に上達するプラットフォームを与えた。プロスノーボーダーはテレビや雑誌でも身近な存在にもなったよね。オンラインを通して楽しさを共有する事も出来るし、最高の環境なんじゃないかな。いい例えがYawgoonsだよ。彼らは小さな町で育った幼なじみ。それが今やインターネットを通してスノーボーディングのセレブまで登り詰めた。でも、もしかしたら他の業界にも言える事かもしれないが、スーパースターが居ないよね。一般の人達がインスピレーションと憧れを抱くような存在がね。

F:それはコンペティションと言う土俵でのスーパースターじゃなくてもいいのですか?ローカルのスーパースターとか?

B:ローカルのスーパースターは昔から必ず居る存在で、そのエリアのシーンに取って欠かせない存在さ。でももっと大きな視野で考えたとき、世界的なスーパースターが必要だと思う。ジェイミー・リン、ピーター・ライン、スコット・スティーブンスの様な存在さ。ダニー・キャスも一度その地位に登り詰めていた。

B:カズはそのポテンシャルがあると思いますか?

A:もちろんさ。カズは世界的に知られているよな。

B:ブルーは昔からカズのファンでしたよね。CAPiTAに加わるずっとまえから。

B:ああ、お気に入りのスノーボーダーの一人だね。CAPiTAのコンセプトや魂に似合うスノーボーダーは他に考えられなかったから、彼がCAPiTAに来てくれたときは夢が叶った思いだったよ。

F:最高ですね。

来期1516 NEWモデル、カズのシグネチャーボード。グラフィックには和文が取り入れられ、ライダーの個性を最大限引き出したスペックとクールなグラフィックが融合したモデルが完成した
来期1516 NEWモデル、カズのシグネチャーボード。グラフィックには和文が取り入れられ、ライダーの個性を最大限引き出したスペックとクールなグラフィックが融合したモデルが完成した
The Mothership、CAPiTAの理想を具現化するスノーボードファクトリー、この全貌は後編にて
The Mothership、CAPiTAの理想を具現化するスノーボードファクトリー、この全貌は後編にて

後編(2016年3月4日17時 更新)へ、続く。

BLUE MONTGOMERY
born February 23, 1974 in Marshalltown

E_E5A5656_sInterview&Transration: Kenji Kato, Photo: Yoshifumishimizu

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